【パリ五輪・柔道】日本人選手に“不可解判定”の嵐…反則理由「不明」さえ堂々採用されてしまう根本原因

AI要約

日本のフェンシングは好成績を収め、柔道では不可解な審判判定が相次いで問題となった。これらの結果には、国際競技団体への日本人の関与度合いが影響している可能性が指摘されている。

柔道では審判の判定に納得できない状況が続き、選手や指導者の抗議も虚しく、日本のメダル数も減少した。フェンシングでは逆に好成績を収め、フランスに次ぐ2位となる成績を残している。

日本の柔道界では審判の判定に不満が爆発し、国際柔道連盟に対する抗議も行われた。一方、フェンシングではフランスを抑えて新しいフェンシング大国としての地位を確立している。

【パリ五輪・柔道】日本人選手に“不可解判定”の嵐…反則理由「不明」さえ堂々採用されてしまう根本原因

日本発の競技でありながら理解しがたい判定が続き、残念な結果となった柔道。一方、フランス発の競技でありながら日本の躍進となったフェンシング。この差はどこにあるのか? 英語コーチングスクールを営む三木雄信氏は、「世界統括団体に対する日本人の関与度合い」ではないかと指摘します。

今回のパリ・オリンピックでは、日本のフェンシングが躍進しました。フェンシングでのメダルは史上初の金メダルを含め5個(金2、銀1、銅2)となりました。フェンシングの母国であるフランスの7(金1、銀4、銅2)個に次ぐ2位、日本は新しいフェンシング大国になったと言える結果です。

一方で、日本発祥の柔道では、日本人にとっては納得がいかない審判の判定が相次ぎました。結果、日本の柔道のメダル数は8個(金3、銀2、銅3)、これはフランスの10個(金2、銀2、銅6)に抜かれる結果となりました。特に金メダルは東京オリンピックの9個から3個に大幅に減少しています。

柔道の審判の判定には日本人にとって納得がいかない判定が相次ぎました。

7月27日には、男子60キロ級の準々決勝で永山竜樹選手がスペインのガリゴス選手に敗れました。審判が「待て」の合図をだしているにも関わらずガリゴス選手が締め続け、永山選手が失神した結果でした。この判定に対して永山選手は抗議のために畳の上に立ち続けましたが、判定は覆らず公式記録では「片手締め」で敗れたとされました。

試合後に、鈴木桂治監督、古根川実コーチがこの判定に対して大会本部に抗議をしましたが、これもきちんと対応されませんでした。その後、全日本柔道連盟の金野委員長は国際柔道連盟に対して書面で抗議を提出しました。しかし、まだ返事が来ていないと報道されています。

また、8月1日に行われた柔道女子78キロ級の準々決勝では高山莉加選手が反則負けとして敗れました。開始直後に対戦相手のドイツのワグナーと共に指導をとられ、中盤は攻めていたにも関わらず再び指導を受け、最終的に3つ目の指導が入り高山選手は反則負けになりました。しかし、3つ目の指導も「首抜き」とされましたがビデオ判定でも判然とせず、五輪公式HPでは「不明な反則」と発表される事態となりました。

8月4日の混合団体戦決勝に日本はフランスに敗れ、銀メダルとなりました。日本は、高山選手が階級上の選手からも勝利をあげるなどして3対3まで競りましたが、代表戦で雌雄を決することになった結果でした。代表戦はギャンブルのような「デジタルルーレット」で階級を選ぶことになっており、結果として男子90キロ超級に決定、日本の斉藤立選手とフランスのテディ・リネール選手の対戦となりましたが、斉藤選手が敗れました。

この「デジタルルーレット」には筆者も首を傾げましたが、SNSでもコメントを見れば、多くの日本人が釈然としない感情を持ったことがわかります。

また、勝敗に関係ある判定ではありませんでしたが、8月3日の混合団体の準々決勝では、試合開始前にブラジルのダニエル・カルグニン選手が畳に唾を吐くという日本人にとってはまったく許容できない行為もありました。この行為も日本ではSNSでは「一発退場では?」「指導しろ」「反則負けじゃないのか???」「もはやこれは日本の柔道ではない!」と物議を醸し出しました。