「明治 エッセル スーパーカップ」 コクとキレの王道 明治 エッセル スーパーカップ(上)

AI要約

エッセルは、200ミリリットル入りというボリュームが特徴で、コンビニでも常に販売されている人気のアイス商品である。明治グループの強みを生かした味わいや品質が支持されており、30周年を迎えるまでに多くのファンを獲得してきた。

エッセルの味の特徴は、「コク」と「キレ」を両立させている点であり、大容量であるため後味が残らない工夫がされている。品質や量のバランスが人気の秘密である。

1990年代にはコンビニの普及でアイス販売環境が変化し、大容量カップが求められるようになった。エッセルはその需要に応える形で開発され、見た目や満足感を重視した商品として人気を博している。

「明治 エッセル スーパーカップ」 コクとキレの王道 明治 エッセル スーパーカップ(上)

暑い日にたっぷりアイスを食べたいという欲望を満たしてくれる商品が「明治 エッセル スーパーカップ(以下、エッセル)」シリーズだ。200ミリリットル入りというボリュームは「スーパー」の名に恥じない。デビュー当初からこの頼もしい分量を減らさない安心感がご指名買いのファンを呼び込んだ。9月に30周年を迎えるエッセルのサクセスストーリーをたどる。

「明治ミルクチョコレート」「きのこの山」「たけのこの里」などのお菓子で知られる明治は、2011年にグループ再編で旧明治乳業から商号変更した。旧乳業の系譜は今なお「明治おいしい牛乳」「明治ブルガリアヨーグルト」などに受け継がれている。その強みはエッセルにも生かされ、大容量カップ容器入りアイス商品としては圧倒的な支持を得ている。どこのコンビニエンスストアでも常備されている定番商品だ。

エッセルの持ち味は「コクとキレの両立にある」と明治のグローバルフードソリューション事業本部フローズン・食品事業部フローズンデザートグループの吉岡征史氏はそう明かす。まるでビールのような表現で、とりわけ「キレ」はアイス分野では聞き慣れない。アイスにおける「コクとキレ」とはどういう意味なのか。

一般的にはコクを高めると、濃厚感が強まり、後味が残りがちだ。少量のアイスであれば、あまり気にならないかもしれないが、エッセルは200ミリリットルもある。たっぷりの量を飽きずに食べてもらうには、後味を「切る」必要があった。下図が示すような味わいに導く配合や加工によって、「濃厚なコクを感じながら、後キレが良い」という条件を同時に成り立たせた。

しかし、そもそもなぜ200ミリリットルものボリュームなのか。1994年の発売に先駆けて先行商品「エッセル」があった。後継商品を開発するにあたって、社内では「たっぷりの分量という形で満足感やわかりやすさを打ち出す意見が強かった」(吉岡氏)。大きな容器が思い浮かぶ「スーパーカップ」の名前にもそうした狙いが写し込まれている。

1990年代にはコンビニの店舗網が広がり、それまでの駄菓子屋からアイスの販路が様変わりした。ショーケースも大きくなって、大容量カップが目立つ状況に。見た目でも訴求力の強い商品が望まれる時代になっていった。