大阪「中之島」エリアのマンションは”買い”か? 再開発が続く大阪有数のビジネス街の今後と、開業予定のなにわ筋線による影響とは

AI要約

中之島エリアは、大阪の経済や行政の中心地として古くから知られており、2031年には「なにわ筋線」が開業予定である。再開発事業も進行中であり、マンション価値に注目が集まっている。

中之島は、歴史的な施設や公共空間が豊富であり、水辺の景観やバラ園などが人々の憩いの場となっている。古くから「天下の台所」として栄え、ビジネス街としても重要な位置を占めてきた。

しかし、中之島の今後には課題も存在し、交通アクセスや夜間の活性化、国際ビジネスの面での弱さなどが指摘されている。現在の中之島は主にビジネスマンが利用するエリアとなっている。

大阪「中之島」エリアのマンションは”買い”か? 再開発が続く大阪有数のビジネス街の今後と、開業予定のなにわ筋線による影響とは

「中之島」エリアといえば、古くから大阪を代表するビジネス街として知られている。特に注目が集まり出したのは、2012年の大阪府市統合本部会議で、重点的に開発を推進する街の一つとして指定されたときだ。2031年に中之島を通る「なにわ筋線」が開業予定だという点も大きな影響を与えている。今回は、再開発事業が続く中之島エリアのマンション価値について分析する。(ライター、宅地建物取引士:杉山明熙)

目次中之島は古くから大阪の経済や行政の中心地2031年に開業予定の「なにわ筋線」中之島エリアのまちづくり方針とはミュージアム機能を核とした中之島4丁目のまちづくり再開発エリアを3つに分けて事業を行う中之島5丁目小中一貫校や中之島GATEターミナルで注目を集める中之島6丁目中之島エリアのマンション相場は?中之島エリアのマンションは「買い」か?

 中之島エリアは、大阪市北区にある堂島川と土佐堀川に挟まれた東西に長い中洲の地域である。周囲のエリアとは多くの橋でつながっており、「淀屋橋」や「天神橋」など架かっている橋が地域名として浸透しているところもある。

 中之島エリアには、大阪市役所や日本銀行大阪支店、大阪中之島美術館などの施設が立地しており、古くから大阪の経済・文化・行政の中心地として発展してきた。大阪市中央公会堂や大阪府立中之島図書館など、戦前から残る歴史的建造物があるエリアとしても知られている。

 さらに、中之島エリアは周囲を川に囲まれた立地であることから、川辺空間が地域住民や観光客の憩いの場となっている。大阪が「水の都」と呼ばれるように、水辺の景色を楽しめるテラスやカフェなどが軒を連ねている。

 中之島東部に位置する中之島公園は、明治24年(1891年)に大阪市で初めて誕生した公園で、敷地内には芝生広場や野外劇場、図書館や美術館まである。また、中之島公園はバラ園が有名で、園内には約310種類、およそ3,700株のバラが咲いている。

中之島の発展の歴史と現在の姿 中之島エリアの開発は、大坂の豪商である淀屋によって1600年代から始まった。江戸時代には各藩の蔵屋敷が立ち並び、面している堂島川や土佐堀川を利用して、全国各地から物資が集まるエリアであったことから「天下の台所」として栄えたのである。明治時代以降は、大阪のビジネスや商業の中心として発展し、現在のビジネス街の原型を作ってきた。

 古くから栄えてきた中之島だが、大阪の他のエリアと比べて、現在は評価されにくい一面もある。交通アクセスが、京阪中之島線「中之島」駅に直結しているのみで利便性がそれほど高くないためだ。

 また、ビジネス街の側面が強く夜間人口が減るため、飲食店が少なく観光客の呼び込みができていないことや、都心部にもかかわらず大型国際会議の開催が少なく、国際ビジネスの面が弱い点なども挙げられる。今の中之島で見られるのは、ビジネスマンの姿がメインである。