101歳、世界最高齢の現役営業が説く「自分の成長に欠かせない2つのこと」

AI要約

101歳、現役の化粧品販売員であるトモコさんが、50の働く知恵を披露。子ども時代の女子進学率やお琴の経験、母の影響などを通じて人生の教訓を語る。

母の夢を託されたお琴の経験が、後に経済的に助けになる。自己成長に欠かせない「一生懸命」や「積み重ね」の重要性を示唆。

母の贈り物として得た人生の指針から、芸事や仕事においての積極的なアプローチが成功へつながることを示唆。

101歳、世界最高齢の現役営業が説く「自分の成長に欠かせない2つのこと」

 101歳、現役の化粧品販売員として活躍しているトモコさん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。世界一の先輩による“言葉のサプリメント”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる!

● 女子の進学率16%の時代

 私が幼いころは、小学校卒業後の進路は、進学するか、就職するか、家事手伝いをするかの“ほぼ3択”でした。進学先は男子なら中学校、女子なら女学校です。義務教育ではないので、進学する人は限られていました。

 私が通った小学校の同学年に女子は64人いましたが、そのうち女学校に進学したのは10人ほど。進学率は16%くらいですから、今から比べるとずいぶんと少なかったですね。

 家庭にある程度、お金の余裕があったり、親の考え方に先進的なところがあったりしなければ、女子の進学は難しい時代だったのです。私の家は取り立てて裕福だったわけではありませんが、教育に理解があったこと、それに私自身が勉強好きだったことから、進学させてもらうことができました。

● 娘に夢を託す母の想い

 進学組には放課後、受験対策として「特別授業」の時間が設けられていました。ちなみに、その授業を受けるのは、男女混合で20人くらいでした。無事に女学校へ進学でき、勉強は楽しかったです。10代といえば、記憶力は人生の中でもピークですから、面白いように何でもすぐに覚えられました。

 覚えるといえば、女学校に入学してまもなく、「お琴」を習うようにもなりました。ある日、母が出し抜けに「あんた、お琴やりなさいよ」と言い出したのです。母自身、お琴を習うことに強い憧れを抱いていたものの、習う機会を得られなかったことを残念に思っていたようです。

 自分で言うのもおかしな話ですが、私はわりとのみ込みが早く、手先が器用でもあったので、「この娘に私の夢を託そう」とでも思ったのでしょう。私になんの断りもなく、さっさとお琴の先生を見つけ、入門のお願いまでしてきていたのですから、私としては母に従うしかありませんでした。

● まさに「芸は身を助く」

 でも、結果的には母にとても感謝しています。のちに結婚した私は、夫がお坊ちゃま育ちでお金に無頓着だったため、いささか経済的に苦労する羽目になるのですが、そのときに役に立ったのが若いころに身につけたお琴だったからです。

 やるとなったらとことんやる私は、師範のお免状を取れるまでお琴を続けたおかげで、近所の娘さんたちに教えて月謝をいただくことができて、経済的にとても助かりました。まさに「芸は身を助く」です。

● 自分の成長に欠かせない2つのこと

 また、地元の放送局の開局記念日の式典に呼ばれて、お琴を披露したこともあります。自分でやりたくて始めたことではありませんでしたが、一生懸命にお稽古したおかげで、得難い芸事が身についたのはありがたいことでした。

 何か1つのことを徹底してやれば、自分の人生にとってプラスになるということも、この経験からよくわかりました。芸事もそうですが、仕事に関しても同じことがいえます。「一生懸命」と「積み重ね」――この2つがそろえば、怖いものなしです。

 それを知ることができたのは、45歳と早くに亡くなった母からの大きな贈り物だったと思っています。

 ※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。