米モデルナ、24年売上高見通し下方修正 EU向けの不調響く

AI要約

バイオ医薬品会社のモデルナが2024年の売上見通しを下方修正し、欧州向け売り上げが低いと予想されたことが要因。

第2四半期の決算は赤字だったが、新型コロナワクチンの売上高はアナリストの予想を上回った。

将来の売上回復への期待があるものの、競争が激しくなる中で、売上の一部が25年までずれる可能性がある。

米モデルナ、24年売上高見通し下方修正 EU向けの不調響く

[1日 ロイター] - 米バイオ医薬品会社のモデルナは1日、新型コロナワクチンと呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンの2024年売上高見通しについて、30億─35億ドルに下方修正した。

従来予想の約40億ドルから最大25%、10億ドルの下振れを見込む。欧州連合(EU)向けの売り上げが非常に低いと予想したことが要因。

第2・四半期決算は13億ドル、1株当たり3.33ドルの赤字だった。LSEGのデータによると、アナリストは1株当たり3.39ドルの赤字を予想していた。

第2・四半期の総売上高は2億4100万ドル。前年同期は3億4400万ドルだった。新型コロナワクチン「スパイクバックス」の売上高は前年同期比37%減の1億8400万ドルだったものの、アナリスト平均予想6642万ドルは大きく上回った。

ジェイミー・モック最高財務責任者(CFO)はロイターに、コロナワクチンを巡るEUとの共同購入契約については協議中だとした上で、「今シーズンの状況や多くの国の予算、既存の供給量を踏まえると、24年に(EU向けの)売り上げは多くないだろう」と述べた。

コロナワクチンの世界での販売の一部が25年にずれ込む可能性があるほか、同業との間でワクチン供給を巡る競争が激しくなっていることも下方修正の要因となっている。ただ、モック氏は、25年には売上高が回復するとしている。

モデルナのRSVワクチンは先月、米国で出荷を開始した。コロナワクチンの需要低下を補う商品として期待されている。