北海道の核ごみ文献調査、報告書まとまる 次の焦点は知事らの判断

AI要約

原発廃棄物最終処分場の候補地を北海道寿都町と神恵内村で検討中

文献調査が終了し、寿都町と神恵内村が具体的な調査候補地に選定

地元首長の判断にかかっており、北海道知事は反対姿勢を崩さず

北海道の核ごみ文献調査、報告書まとまる 次の焦点は知事らの判断

 原発の運転で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定に向け、北海道寿都町と神恵内村で実施した「文献調査」の報告書が1日、まとまった。寿都町の全域と神恵内村の一部が、次の具体的な調査に進める候補地とされた。それには地元首長の判断にかかっているが、北海道の鈴木直道知事は反対の姿勢を崩していない。

 この日開かれた経済産業省の審議会で了承された。文献調査は3段階ある選定作業の1段階目。原子力発電環境整備機構(NUMO)が、学会や国の研究機関などの資料や論文などを用いて、活断層の有無や地震の記録などを調べた。その結果、寿都町は「町全域およびその沿岸海底下」、神恵内村は周辺にある積丹岳から「15キロ以内の範囲を除いた」エリアを候補に挙げた。報告書がまとまるのは全国で初めて。

 今後、NUMOが報告書を完成させ、秋以降に地元の首長に送る。その後、住民向けの説明会などを開く見通し。実際に土地を掘削する「概要調査」(2段階目)に移るための地ならしだが、北海道知事と寿都町長、神恵内村長の意に反しては進めないことになっている。