日本企業は「海外型ソリューションの輸入」だから上手くいかない...キーエンスの「KI」が「日本企業の強み」を引き出せる理由

AI要約

株式会社キーエンスは、2022年度に驚異的な営業利益率を叩き出し、データ分析ソフトウェア「KI」の導入企業数も急増している。

著者による『データドリブン・カンパニーへの道』は、キーエンスが他社を変革する方法を探る取り組みを紹介している。

キーエンスは海外展開も視野に入れており、海外市場では異なる意思決定プロセスに対応する必要があると述べている。

日本企業は「海外型ソリューションの輸入」だから上手くいかない...キーエンスの「KI」が「日本企業の強み」を引き出せる理由

自動制御機器、計測機器、情報機器などの開発および販売を手掛ける、株式会社キーエンス。圧倒的な生産性で知られており、2022年度には、10%を超えれば優良企業だとされる営業利益率で驚異の54.1%という数値を叩き出した。また、数年前から販売を始めたデータ分析ソフトウェア「KI」の導入企業数は数百社にも上り、その勢いは留まるところを知らない。

ビジネスの最前線を走る同社は、社内外に何重にもそびえる壁をどのように乗り越え、あるいは壊して進んでいくのか?

「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」の初代受賞者である著者が、実際に変革を進めるキーパーソンたちに話を聞くことでその謎を明らかにする一冊『データドリブン・カンパニーへの道』(河本 薫著)より、一部抜粋してお届けする。

『データドリブン・カンパニーへの道』連載第14回

『自社の「リアルな課題」を解くことで「殻を破る」...キーエンスだけが「カルチャーに変化」をもたらせる納得の理由』より続く

―キーエンスさんは、今までは自分たちの仕事を科学するということをしていたわけですが、これから、他社を変えるにはどうするかを科学されていくというわけですね。そういったマインドを持ったキーエンスさんという会社が日本の国にある中で日本企業がどう変わるのかって、それを想像すると、すごいわくわくしてきますね。もちろんそんなに楽なことじゃないと思いますが。

井上小さな一歩だとしても波紋を起こすきっかけになれればうれしいです。

―ちなみに、KIは海外のお客さんにも売っているんですか。

井上海外へも事業展開していきたいと思っていますが、日本とは異なる意思決定プロセスがあるのではないかという仮説は持っています。海外の場合、業務がジョブごとに定義されていて、分析は分析の専門家という役割がしっかり分かれているのではないかと思います。

―たしかにそうですね。