マイナス金利解除後の住宅ローン新常識「5年ルール」と「125%ルール」って何?

AI要約

住宅ローン金利は日銀の超低金利政策の影響により、長い間低金利が続いてきたが、マイナス金利の解除を受け、住宅ローン金利への関心が高まっている。

短期プライムレートやTIBORなどの指標が住宅ローン金利に与える影響や、ソニー銀行の金利決定方法について説明されている。

変動金利と固定金利の違いやメリット、ソニー銀行での金利タイプの選択傾向に関する情報が記載されている。

マイナス金利解除後の住宅ローン新常識「5年ルール」と「125%ルール」って何?

住宅ローン金利は日銀の超低金利政策の影響により、長い間低金利が続いてきたが、マイナス金利の解除を受け、住宅ローン金利への関心が高まっている。

先日、ソニー銀行から関連リポートが到着したので、その概要をお伝えしよう。

TIBOR (東京銀行間取引金利)は金融機関同士による短期資金のやり取りを反映した金利指針、短期プライムレートは民間金融機関の期間1年未満で貸す際の基準となる金利だ。

グラフは、過去17年間の「TIBOR(東京銀行間取引金利)」と「短期プライムレート」、「ソニー銀行変動金利」、「ソニー銀行10年固定金利」の金利推移を示したもの。

短期プ ライムレートは2009年1月以降ほぼ横ばい、TIBORは取引の実態を反映する円の金利指標であり、2009年1月以降に徐々に下落していることがわかる。

住宅ローン金利の指標や決定方法は、金融機関により異なり、こういった指標からも影響を受ける。

■ソニー銀行の基準金利の決定方法

ソニー銀行の基準金利は、主に毎月の金利発表前の数か月における銀行間で取り引きされている金利(短期プライムレートやインターバンク・レートなど)や国債の利回りの動向を踏まえ、必要なコストを加味して金利を決定している。特定の指標に連動している商品ではない。

出典:日本銀行、一般社団法人全銀協TIBOR運営機関公表資料を参考にソニー銀行にて作成

■金利タイプについて

住宅ローン金利は、「変動金利」「固定金利」に大別される。固定金利は、あらかじめ決められた期間において金利が固定できるローンで、金利が固定されているため返済計画が立てやすいなどの特徴がある。

変動金利は、半年ごとに金利が見直されるタイプのローンで、固定金利より低めの金利が設定されている場合が多い。

実際にどちらの金利タイプが選ばれているかというと、ソニー銀行では、新規購入・借り換え共に95%が変動金利を選んでいるという。

■変動金利について

変動金利は、半年ごとに金利が見直されるタイプのローンだが、見直しから半年間の金利は変わらない。 見直しタイミングは銀行によって異なるが、ソニー銀行は5月1日・11月1日を基準日として適用金利を決定して、それぞれ6月12月の約定返済日の翌日から適用される(※2)。

(※1)金利は例示です。実際の基準金利および適用金利とは異なります。優遇または引き下げなどにより、基準金利と適用金利が異なる場合があります。 (※2)増額返済月(ボーナス月)として7月・1月または8月・2月の組み合わせを選択されている場合は、当該基準日直後の増額返済月(ボーナス月)の約定返済日の翌日からの適用となります。この場合、お客さまのご返済額が実際に更新されるのは、それぞれ8月・2月・3月のご返済分からです。 (※3)ご返済額は、実際の金額と異なります。ご返済額は、基準日の適用金利と、元金残高、最終返済日までの残存期間により、ソニー銀行所定の計算方法(元利均等)にて計算されます。また、ご返済額見直しの上限はありません。

変動金利タイプの場合、金利が上昇すれば住宅ローンの返済額も上昇する。金利が急上昇した場合に、毎月の返済額が急に上がらないよう「5年ルール」「125%ルール」というルールを採用している金融機関もある。

5年ルールや125%ルールは、返済額を一定に保てるため、収支管理がしやすい反面、5年ルール適用時に利息が優先され元金が減らない状態になると、長期的には総支払い額が増えるという一面もある。

<5年ルール>

半年ごとの金利見直しで適用金利が変わっても、5年間の返済額は変更にならない。適用金利が変わると、返済額に占める元金と利息の割合は変わる。

<125%ルール>

5年ルール適用後の6年目からの返済額は、直近5年間の返済額の125%以内とされる。

後編では、「5年ルール」と「125%ルール」のメリットと注意点について解説していく。

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構成/清水眞希