子どもが生まれる前に「クルマ」を購入すべきか? それとも生まれた後か? 定番ネット論争について考えてみた

AI要約

全国の世帯における乗用車の平均保有年数は7.2年で、10年以上保有する人が2割を超えている。

子どもが生まれる前に乗用車を買い替えるべきか、生まれてから買い替えるべきかという議論がある。

筆者は、子どもが生まれたら乗用車を買い替えた方がいいと考えており、その決断の理由を述べている。

子どもが生まれる前に「クルマ」を購入すべきか? それとも生まれた後か? 定番ネット論争について考えてみた

 日本自動車工業会(東京都港区)が2023年8月17日から10月6日まで実施した「2023年度乗用車市場動向調査」によると、単身者を含む全国の世帯における乗用車の平均保有年数は7.2年で、10年以上保有する人が2割を超えている。

 このように、7年から10年のパートナーであるクルマだが、その買い替え時期について、ネット上ではある議論が巻き起こっている。それは

「子どもが生まれる前に買い替えるべきか、生まれてから買い替えるべきか」

というものだ。さまざまな意見が展開されているが、正解はひとつではないようだ。

 では、買い替えるタイミングはいつがいいのだろうか。非・自動車業界ライターであり、一児の母でもある筆者(小島聖夏、フリーライター)が、自身の経験をもとにした持論を書く。

 筆者の経験から、子どもが生まれたら買い替えたほうがいいと考えている。実際、子どもが2歳になった年にセダン(マークII)からミニバン(ヴェルファイア)に乗り換えたが、タイミングとしては正解だった。

 生まれた後に買い替えを決断した理由は、クルマの使い方やお金の使い方が変わるのではないかと考え、悩んでいるうちに時間が過ぎてしまったからだ。

 そもそも、妊娠発覚から出産まで、クルマを買い替えるには時間が足りない気がする。法務省民事局参事官室が2021年6月29日に発表した「妊娠の期間等に関する報告書」によると、妊娠期間は280日とされている。

 しかし、赤ちゃんの心拍が確認できるのは妊娠6週目以降とされているため、医師が診察したときには予定日まで34週238日しか残っていない。また、予定日より早く生まれることもあるため、実際の出産予定日はもっと短くなることも考えられる。この間に、赤ちゃんを迎える環境を整えなければならない。

 そうなると、クルマのことは“二の次”だ。もちろん、事前に検討する時間がまったくないわけではないが、「赤ちゃんが生まれる前に買わないと……」と焦るあまり、適当に選んでしまったり、予算外の価格で妥協してしまったりする可能性もある。要するに、急げば急ぐほど、後悔する選択をする可能性が高くなるのだ。

 場合によっては、もっと広い家に引っ越そうと考えることさえある。実際、筆者も経験があるが、引っ越し先の駐車スペースの広さや空き状況を把握しないまま、家族用の大型車を購入するのは得策ではない。また、先輩ママから

「おむつや着替えの数が増えるし、ベビーカーもあるので、大きなクルマに乗り換えた」

「近所には狭い道が多いので、小回りの利くクルマにした」

といった話を聞いたこともあり、余計にどのサイズのクルマを買うべきなのか悩んでしまったこともある。

 そうこうしているうちに出産予定日が近づき、買い替えを決意することはなかった。