「ビジネス力×データサイエンス」をビジネスパーソンが目指すべき理由
AI技術を支えるデータサイエンスの重要性と、非専門家でも関わり方について解説。
データサイエンティストの役割や必要なスキル、ビジネス力について詳細に紹介。
データサイエンティストに求められる3つのスキルの重要性を強調。
ChatGPTに代表される生成AIの登場は、私たちの生活やビジネスに大きな変革の波をもたらしている。加えて、AI技術を支えているのは、データサイエンスという学問であり、AIとデータサイエンスは、現代を生きるうえで必須知識となりつつある。
本記事では、NRIデジタル・藤田一樹氏の『0から始めるAI・データサイエンス超入門』より一部を抜粋・再構成のうえ、非専門家としてのデータサイエンスへの関わり方について解説する。
■データサイエンティストの役割と3つのスキル
世界的に有名なハーバード大学ビジネススクールから発行される『Harvard Business Review』2012年10月号の中で、「21世紀で最もセクシーな職業はデータサイエンティストである」と発表され、データサイエンティストの存在が一躍世に知らしめられました。
当時のデータサイエンティストは「ビッグデータの世界で何かを見いだそうとする、好奇心旺盛で訓練を積んだ上級専門職」と定義されていました。理系の博士号を持ち、高度な数学、プログラミング技術を使ってビッグデータを処理することのできる人物のみが活躍する世界であったのです。そんなデータサイエンティストの必要性が、ビッグデータを活用する企業が増えていくにつれ、一気に世界中で高まっていったのです。
それから十数年が経ち、データサイエンティストに必要なスキルセットの明確化や学習ツールの整備により、多くの人がデータサイエンティストとしての役割を果たすことができるようになりました。
たとえば、機械学習モデルの構築や統計解析のためのツールが進化し、プログラミングを行わなくともビジネスの現場でデータを活用した意思決定を行うことができるようになっています。そのため、データサイエンティストとして、データを活用した意思決定を行うことのハードルが非常に低くなっています。
■データサイエンティストに必要な3つのスキル
データサイエンティストとしてビジネスの場で活躍するためには、幅広いスキルを身につけることが必要となります。ここでは、データサイエンティスト協会が定義するデータサイエンティストに必要な3つのスキルを紹介します。
①ビジネス力(business problem solving)
課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し解決する力。データサイエンスを使って解決したいビジネスそのものに関する知識や経験なども必要となる。主にビジネス課題の解決を得意とするコンサルタント系人材が主軸とする領域。