オプションのボラティリティー上昇、相次ぐ米テク決算や中銀会合控え

AI要約

先週には米国の利下げ期待が高まり、今週も注目が集まっている。ダドリー前ニューヨーク連銀総裁の発言や企業の決算発表も市場の動向に影響を与える。

米FOMCは9月の利下げ開始を示唆する可能性が高く、日本銀行は逆に利上げリスクを想定。市場のボラティリティーが高まる中、トレーダーにとって重要な週となる。

日銀の政策決定やFOMCの動向が円高やユーロの安定に影響を与える可能性があり、トレーダーの注目が集まっている。

(ブルームバーグ): 主要中央銀行の金融政策決定や世界的な大手企業の決算発表がめじろ押しとなる今週にかけて、市場に少なくとも多少のボラティリティーが戻ってきている。

先週にはダドリー前ニューヨーク連銀総裁が早ければ今週の会合、遅くとも9月までに利下げを実施するよう呼びかけたことから、米利下げペースが速くなるとの見方が強まった。ブルームバーグ・ニュースが調査したエコノミストのほぼ4分の3が、米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月の利下げ開始を示唆すると予想している。日本銀行は反対方向に動く可能性があり、エコノミスト調査では回答者の90%が利上げのリスクを想定している。

ボラティリティー市場の動向は今週がトレーダーにとっていかに重要であるかを示している。メタ・プラットフォームズやマイクロソフト、アップルなどの決算のほか、8月2日には米雇用統計が発表される。S&P500種株価指数の向こう1週間の予想変動率は2週間後の同変動率を2ポイント近く上回り、その差は6月以来の大きさとなった。

金利差縮小

日銀の政策決定前にはオプションを通じて円をロングにすることが、過去2年間にテーマとして続いてきた。タカ派シフトの可能性をヘッジするためだ。しかしスポット市場で急速な円高が進んだ後に、円に強気なエクスポージャーにこれほど強い需要が集まるのは初めてとなる。

日銀が利上げに踏み切り、FOMCが9月利下げを市場が織り込んでも構わないと示唆する場合、円上昇はさらに勢いを増す可能性がある。トレーダーがこの取引をするために多額のプレミアムを払っているのはそれが理由だ。

ユーロのトレーダーにとって、FOMC会合はゲームチェンジャーになり得るとは見られていない。FOMCは9月利下げに関して柔軟性を残す公算が大きく、それは短期金融市場の織り込みが安定し、ユーロのレンジがタイトになることを意味する。1週間物のインプライドボラティリティー(IV)は今年の平均を下回り、リスクリバーサルはパリティー(等価)の軌道を描いている。