モバイルゲーム事業が停滞する中、DeNA、グリー、MIXIなど主要企業はどこへ向かうのか?

AI要約

モバイルゲーム市場は曲がり角を迎えており、2023年の世界全体の市場規模が緩やかに下降していることが示されています。

任天堂とディー・エヌ・エーの提携により、任天堂はゲーム機ビジネスで好転し、一方でディー・エヌ・エーは停滞していることが報告されています。

ディー・エヌ・エーのゲーム事業は特に苦戦中であり、力を入れたタイトルのサービス終了などが明らかになっています。

モバイルゲーム事業が停滞する中、DeNA、グリー、MIXIなど主要企業はどこへ向かうのか?

モバイルゲーム市場が曲がり角を迎えています。

2023年の世界全体の市場規模は前年比1.4%減の8兆7916億円。アジア圏が同4.7%減の4兆7953億円となりました(「ファミ通モバイルゲーム白書 2024」より)。依然として巨大市場ではあるものの、緩やかに下降しているのです。

ディー・エヌ・エーやグリー、MIXIなど、モバイルゲームを軸に成長した会社が収益構造の転換を急いでいます。

2015年3月、任天堂はディー・エヌ・エーと資本業務提携について合意しました。任天堂は2012年3月期から3期連続の営業損失を出すズタボロの状態。当時、ゲーム機は時代遅れで、主役はスマートフォンに置き換わったとの見方がありました。

任天堂とディー・エヌ・エーの提携は、スマートフォンに主役の座を明け渡したことを印象づけるものでした。

提携した際の任天堂の社長は伝説の経営者として知られる岩田聡氏。岩田氏は射幸心をあおる手法を選択しなくても、顧客と長期的な関係性を築いてゲームビジネスの健全性を維持できるなどと、当時主流だったガチャと距離を置いていました。

提携の発表を行う会見でも、ゲーム専用機ビジネスへの情熱や展望を失ったわけではないと強調。時代が激変する中で、任天堂らしさとは何かを追求し続けていました。

資本提携からおよそ10年。2社の明暗は分かれました。

任天堂の2015年3月期の売上高は5497億円。その後、Nintendo Switchというモンスター級のゲーム機を生み出して業績は好転。2024年3月期は約3倍の1兆6718億円となっています。

一方で、ディー・エヌ・エーは2015年3月期の売上高が1424億円。2024年3月期が1367億円。停滞しています。

ゲームは特に苦戦中。ディー・エヌ・エーはスマートフォン向けRPG『takt op. (タクトオーパス) 運命は真紅き旋律の街を』を2023年6月28日に配信開始。テレビアニメも放送された力を入れたタイトルでしたが、2024年4月9日に早くもサービスを終了しています。

2024年3月期のゲーム事業の売上高は前期比15.6%減の425億円、セグメント利益は同63.9%減の34億円でした。