ライドシェア議論再始動 東京で月追うごとに運行1・5倍増、運転代行業者など参入も検討

AI要約

政府はライドシェアに関する施策を再開。利用実績の伸びと移動の足不足の課題。運行制限の緩和や運転代行業者への実施許可を模索。

地域ごとの利用状況の差異に注目。特別区では順調に増加する一方、マッチング率の改善が必要。

タクシー不足地域への運行認可の緩和や運転代行業者の参入を検討。全面解禁へ向けた法制度の議論を進める。

ライドシェア議論再始動 東京で月追うごとに運行1・5倍増、運転代行業者など参入も検討

政府は29日、一般ドライバーが自家用車を用いて有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」に関する施策を議論する規制改革推進会議のワーキンググループ(WG)を開き、制度改善へ向けた議論を再開した。4月に一部地域で解禁されて以降、利用実績が順調に伸びる一方で移動の足は依然不足していることも判明。運行制限の緩和や運転代行業者などへの実施許可といった現状制度のバージョンアップを求める声も上がった。

WGでは各地域での制度開始以降の利用状況が示された。特別区・武三交通圏(東京23区など)では運行回数が月を追うごとに約1・4~1・5倍のペースで増加するなど、順調に伸びていることが分かった。一方、配車アプリを通じた客からの依頼にどれだけ応じられたかの「マッチング率」では、地域により制度導入後も7割台にとどまる時間帯があるなど、改善の必要性も浮かんだ。

出席者からは、原則的にタクシーが不足する地域や時間帯しか運行が認められない現状の規制を緩和するよう求める声が出た。タクシー業者以外の制度実施主体として、運転代行業者なども認めるべきだとの意見もあった。

配車アプリ業者など、タクシー業者以外の参入も認める全面解禁へ向けた法制度の検討についてはWGの下に準備会合を設立し、専門家らによる議論を随時行うことが示された。

ライドシェアを巡っては5月、全面解禁へ向けた法制度を期限を決めずに検討する方針が決まった。悪天候やイベント時など需要が急増した際の対応や、鉄道やバス業者の参入など現行制度のバージョンアップについては早期に実現すべく検討が行われている。WGに出席した河野太郎規制改革担当相は「(現状のライドシェアが)足不足の解消に本当につながっているか、しっかり見ていかなければいけない」と述べた。(根本和哉)