親からの金銭支援で「自動車の頭金」を払うのはアリ? ナシ? なんと13%の人が「131万円」もの援助を受けていた!

AI要約

40~69歳の男女が親から金銭的援助を受ける割合が46.8%であることが分かった。

親が子供に援助する主な支出は結婚資金、生活費、不動産・自動車購入時の頭金、教育資金などで、特に不動産購入の頭金が高額であることがわかった。

親の給料が高かった時代を経験した世代であることが背景として挙げられ、経済的援助は子供の幸せや手元に置くための効果があることが示唆された。

親からの金銭支援で「自動車の頭金」を払うのはアリ? ナシ? なんと13%の人が「131万円」もの援助を受けていた!

 社会人になって自立し、生活費を自分で稼ぐようになっても、親から見れば子どもはいつまでも子どもであることに変わりはない。

 社会人になると出費が増え、親から金銭的な援助を受けるケースもよくある。例えば、クルマや家を購入する際に頭金を多く用意すれば、その後のローンの支払いが軽減され、負担も少なくなる。このような援助を受けたことがある人も多いだろう。

 プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険(東京都千代田区)が、70歳以上の実親を持つ40~69歳の男女を対象に行った「『おとなの親子』の生活調査2023」(2023年9月29日~10月2日、サンプル数2000人)によれば、実に

「46.8%」

が「親から金銭面の支援を受けたことがある」と回答している。

 具体的にどのような支出について親から援助を受けているのだろうか。調査結果は次のとおりだった。

・1位:結婚資金 23.1%

・2位:生活費(社会人以降) 20.1%

・3位:不動産購入時の頭金 14.6%

・4位:自動車購入時の頭金 12.5%

・5位:子どもの教育資金 12.3%

各項目の平均支出額を見てみよう。

・1位:結婚資金 131.8万円

・2位:生活費(社会人以降) 143.2万円

・3位:不動産購入時の頭金 494.5万円

・4位:自動車購入時の頭金 131.3万円

・5位:子どもの教育資金 175.4万円

すべての項目で100万円を超えており、特に不動産購入の頭金が約500万円とかなり高額である。当媒体はモビリティ経済媒体なので、目がいくのは

・自動車購入時の頭金:12.5%

・自動車購入時の頭金:131.3万円

である。40~69歳の男女でこの割合、金額なのだ。

 筆者(中山まち子、子育てジャーナリスト)は、40~69歳の子どもを持つ親たちが、戦後の高度経済成長やバブルを経験した世代であることに注目している。

 この世代は

「年を取れば取るほど給料が上がる」

時代を過ごしたが、その時代はすでに終わっている。特に40代から50代半ばは、就職氷河期と呼ばれる時代に青春を過ごし、バブル崩壊後の経済冷え込みのなかで社会人になった。

 このような背景から、同じ年齢で比較すると、親の給料が高かったのは珍しくない。そのため、自分と同じ生活水準を維持できるように援助する親の気持ちは理解できる。

 さらに、親が経済的援助をすることで、子どもを

「近所に引き留める効果」

もある。筆者が高校生の頃、同級生が親から

「地元の大学に進学すればクルマを買ってあげる」

といわれ、都会の大学進学を迷っていたことを思い出す。最終的に彼女は地元の国立大学を選び、受験勉強に励むことになった。これは

「娘を手元に置きたい」

という父親の願いを受け入れた結果だと筆者は感じている。

 子どもが大人になり結婚すると、節目節目での経済的援助は、親の意向を受け入れざるを得ない状況になることがある。

 こうした援助が本当に子どもの幸せのためになるかどうかは個々の状況によるが、経済的支援は子どもの人生に大きな影響を与えるのは事実だ。