世界にゃ不思議なクルマがまだまだある! アメリカのポラリスが作る「スリングショット」は人生を楽しくしてくれること間違いナシのクルマだった

AI要約

ポラリス社による2014年の新型乗り物、スリングショットについて紹介。

前2輪、後1輪のファンビークルで、他のライバルを凌駕する要素を持つ。

価格設定、エンジンスペック、シャシー、マーケティング戦略など全体的な特徴が述べられている。

世界にゃ不思議なクルマがまだまだある! アメリカのポラリスが作る「スリングショット」は人生を楽しくしてくれること間違いナシのクルマだった

 ヒトが馬にまたがった太古の昔から、乗り物に対する追究というのは終わることはないようです。とりわけ刺激的な乗り物はいつでもどこからでも生まれてくるもので、2014年にリリースされたポラリス社の「スリングショット」などもそんな1台にほかなりません。後ろ1輪駆動、2シーターオープンというパッケージはさほど珍しいものでもありませんが、スノーモービルやインディアンモーターサイクルズのベンダーが自社製エンジンを搭載したとなると、乗りもの好きはそそられること間違いなし。一体、どんな刺激をあたえてくれるのでしょうか。

 ポラリス社はアメリカに本拠を置く一大インダストリアルメーカーで、その背後には軍需産業が控えているといわれます。また、同社のスノーモービルにはスバル製エンジンを採用したり、アメリカ最古のバイクブランド「インディアン」を子会社化するなど、乗りもの好きのなかにはご存じの方も少なくないはず。

 そんな彼らが2013年にローンチしたのが前2輪、後1輪のファンビークルとなるスリングショットです。前述のとおり、こうしたレイアウトは以前からT-REX(カンパーニャモータース)やカンナム(BRP)といった錚々たるマシンが存在しており、さして驚くほどのものではありません。が、あとから出てきただけスリングショットは先行ライバルを参考にして、しっかりオーバーテイクすることを目指したのだと思われます。

 たとえば、その価格は現地価格2万1999ドル(およそ374万円)からと、この手にしてはリーズナブルな値付け。ベーシックモデルだとエンジンが非力だったりするライバルたちと違って、上級モデルと同じスペックのエンジンが選べるというのも感心です。

 あるいは、インパクトあふれるスタイリングに負けず劣らず凝りに凝ったシャシーというのもスリングショットの優れたポイント。前後ともダブルウイッシュボーンにスタビライザーを装備して、3輪レイアウトで弱くなりがちなリヤのトラクションもしっかりと確保されている模様。前後重量配分こそ公表されていないものの、並列のシート位置を見ればいくらかリヤ寄りであることも読み取れることでしょう。

 さらに、スリングショットはテンポラリールーフや穴の空いたペダル類といったチューンアップパーツはもとより、スリングショットの世界観を表現したアパレルまでラインアップするという力の入れようです。これはオーナーとしてはうれしい限りで、SNSでも「オレのスリングショットライフ」を発信したくなるというもの。ポラリス社はこうしたマーケット戦略がじつに巧みで、成功している大企業らしい売り方といえそうです。