日本の自動車史には欠かせない存在! X80系のトヨタ「マークII」とは

AI要約

コロナマークIIはトヨタの歴史的な車種で、コロナの高級仕様として位置付けられた。

36年間コロナマークIIとして存在し、後にコロナの名が省略されて独立した「マークII」として生き残ることになった。

高級感漂うX80系グランデ・リミテッドは、大衆車にしては上質でありながら華美でないポジショニングが人気を集めた。

日本の自動車史には欠かせない存在! X80系のトヨタ「マークII」とは

「マークII」の歴史は少々複雑です。

「カローラII」がカローラから転じた派生モデルだから「カローラII」というのであれば納得できるのですが、トヨタには「マーク」というモデルがあるわけではないのに、「マークII」は「マークII」を名乗っているのです。

 トヨタにはクラウンという伝統的な高級モデルがあり、一方でコロナと呼ばれる大衆車モデルがラインナップしていました。その中間を埋めるために開発されたのがコロナマークIIです。あえて言うなれば、コロナの高級仕様でしょうか。

 初代コロナマークIIがデビューしたのは1968年ですから、歴史はけして短くはありません。コロナの上級モデルの位置付けでしたから、久しく「コロナマークII」を名乗っていました。ですが、5代目の「X70型」になって初めて、コロナの名が省略されました。晴れて「マークII」と独立したのです。気がつけば、コロナは絶版車となり、マークIIが生き残ることになります。

 のちにそのポジションを「マークX」が受け継ぐことになります。それが2004年のことです。コロナマークIIは36年間も存在していたというわけです。日本の自動車史に欠かせないモデルであることに疑いはありません。

 今回の試乗車は、1992年式のX80系です。高級感漂う「グランデ・リミテッド」。X80系からはすべてのグレードにDOHCエンジンが搭載されました。「ハイメカツインカム」と呼ばれ、ハイテク化が進んでいったのです。

 初代デビューのコンセプトに忠実で、まさに大衆車にしては高級感があり、かといってショーファードリブン的なVIP感覚でもない。パーソナルユースでは上質でありながら華美ではない。その絶妙なポジショニングが人気でした。

 ボディはセダンが基本系ですが、4ドアハードトップがあり、ピラーのある4ドアセダンがラインナップしていました。走りの性能が優れており、室内空間も広い。乗り心地も感心するほど優しかったので、タクシーや自動車教習車、あるいはパトカーなどにも採用されました。その意味では日本を支えたパーソナル高級セダンと言ってもいいかもしれませんね。