高温多湿な夏は汗による深部体温の調節が上手く働かなくなる 酷暑での熱中症対策にはアイススラリーによる身体冷却が好適

AI要約

高温多湿な夏における熱中症対策として、アイススラリーによる内部冷却と水分・塩分補給が重要。

体温の上昇と脱水を防ぐことが基本であり、深部体温の上昇は臓器の働きを低下させる。

アイススラリーは身体内部から効率よく冷却でき、特に運動時や暑熱環境下で有効。

高温多湿な夏は汗による深部体温の調節が上手く働かなくなる 酷暑での熱中症対策にはアイススラリーによる身体冷却が好適

 高温多湿な夏は汗による深部体温の調節が上手く働かなくなり、酷暑対策にはアイススラリーによる内部冷却と水分・塩分補給のセットが好適とされる。

 熱中症対策の基本は、深部体温の上昇と脱水を防ぐことにある。

 脳や心臓などの臓器の深部体温は約37℃が理想の状態。これは生命活動に欠かせない酵素が最も活性化する温度であり、37℃より高温・低温になると酵素活動が保てず脳や内臓の働きが低下する。なお、深部体温は臓器の温度であるため体温計では測定できない。

 体温が上昇すると、発汗により熱を放散させることで約37℃に保たれるが、高温多湿な日本の夏では、汗が皮膚表面に留まり蒸発しにくいため、汗による深部体温の調節が上手く働かなくなり脱水状態に陥りやすくなる。

 このように汗が機能しにくいシーンでは、身体冷却と水分・塩分補給をセットで実践することが効果的な対策と考えられる。

 身体冷却には、外部冷却と内部冷却の2つの方法があり、外部冷却は空調や冷水欲(アイスバス)などで身体の外部から冷却するやり方となる。

 一方、内部冷却は、冷たいものを摂取して身体の内部から冷却するやり方で、その中でも簡便で実用的な方法がアイススラリーの摂取となる。

 アイススラリーとは、細かい氷の粒子が液体に分散した流動性のある氷で、通常の氷に比べ、結晶が小さいことから冷却効果が高く、カラダの内側から効率よく冷やすことができる。

 アイススラリーの中には、体液に近い電解質バランスの製品もある。

 

 日本スポーツ協会が発行している熱中症予防のガイドブックでも他の冷却方法と比較して冷却効率、実用性、簡便性のいずれにおいても高く評価されている。

 特に、外部冷却が難しい環境にある運動時や暑熱環境下での労働時に好適とされる。

 市販されるアイススラリーには「ポカリスエット アイススラリー」(大塚製薬)や「リポビタンアイススラリーSports」(大正製薬)などがある。

 このうち「ポカリスエット アイススラリー」では、絶好調のBtoBの販売を引き続き強化している。

 今年の出足も上々。「建設業や製造業、宅配業など暑熱環境下で従業員が業務を行う企業様の採用がどんどん広がっている。昨年は猛暑だったこともあり大変ご好評をいただき、20%以上の出荷数量増を記録した。さらに今年4月には昨年の2倍以上ご注文いただき出荷している状況」(大塚製薬)と説明する。