「100円アイスのイメージが…」 明治「スーパーカップ」が値上げで180円突破、消費者が意識する「アイスにかける金額の壁」

AI要約

アイスの値上げが相次ぎ、明治の「スーパーカップ」が183円に値上げされるなど、アイス業界に大きな変化が訪れている。

消費者は過去の100円アイスのイメージにとらわれ、値上げに驚きを隠せない状況だが、他社もアイスの値上げを行っており、200円時代に向けて着実に進んでいる。

値上げされるアイスが増える中、消費者は新たな買い方や買い物の考え方を模索しており、200円時代への覚悟を持つ人もいる。

「100円アイスのイメージが…」 明治「スーパーカップ」が値上げで180円突破、消費者が意識する「アイスにかける金額の壁」

 手軽なおやつであるアイスにも、値上げの波が押し寄せている。明治は9月2日出荷分より順次、アイスやチョコレートなど計128品目で値上げや内容量の変更を発表した。対象のアイスは19品で値上げ幅は約5~11%。今年9月に発売30周年を迎えるロングセラーブランド「明治エッセル スーパーカップ」(以下、スーパーカップ)は現在の172円から183円(以下、すべて税込)に改定される。

 スーパーカップの価格を振り返ると、1994年発売当時は103円。2008年に初めて20円値上げ(126円)、2015年に10円(140円)、2019年に10円(151円)と150円を突破した。2022年以降は毎年約10円ペースで値上げされてきたが、約15年にわたる「100円時代」のイメージが強い世代からは、今回の値上げで180円を突破したことに、驚きの声が上がっている。

 IT企業勤務の30代男性・Aさんは、「スーパーカップ」の値上げだけでなく、「現在の価格にも驚いた」と話す。

「子供の頃、スーパーカップのバニラが大好きでよく食べていました。社会人になってからは食べた記憶がないですね……。“100円アイス”のイメージが強すぎて、ニュースで現在の価格が172円で183円になると知り、びっくりしました。僕が食べなくなっている間に、そんなに高くなっていたとは」

 価格改定後は「183円」で100円台をキープするが、Aさんは「ほぼ200円と変わらないですよね」と時代の変化に衝撃を隠せない。

「小学生の頃、安いのにボリュームたっぷりで満足感がすごいということで、“スーパー”なカップなんだなという記憶で……。ただ、他のものもいろいろ値上げされていることを考えると、スーパーカップはまだまだコスパがいい部類なのかもしれません」(Aさん)

 アイスの値上げを踏み切るのは、明治だけではない。各メーカーの同価格帯の定番アイスにも及んでいる。

 すでに江崎グリコは6月1日出荷分から「パピコ」「アイスの実」などアイス65品の価格を改定。ロッテも9月1日出荷分から「雪見だいふく」「爽」など、市販用アイス39品(一部10月1日出荷分から)、森永製菓は9月2日出荷分から「チョコモナカジャンボ」「バニラモナカジャンボ」など冷菓10品を値上げする。明治の「スーパーカップ」と同じように180円台に突入する定番アイスも少なくない。

 アイスの値上げラッシュのなか、「アイスにかける金額の壁」を感じる人もいる。商社勤務の30代女性・Bさんは「180円超えはもう200円という気分」と語る。

「120円ぐらいまでは、“100円”という気分。『パピコ』『雪見だいふく』『チョコモナカジャンボ』などはだいたい100円程度でお手頃だったイメージが強いだけに、値上げに敏感になってしまいます。

 好きな『雪見だいふく』は、私が子供の頃は100円でした。今は150円ぐらいしますよね。個人的には180円台ともなると、もはや200円という認識。感覚的には120円までが“100円ぐらい”、130円~170円が“150円ぐらい”。アイスでいうと150円ぐらいまでなら安さを感じるけど、180円のように200円に近づくと躊躇してしまうかも」

 飲食店勤務の30代女性・Cさんは、「200円時代になるのは覚悟している」と諦めムードだ。

「以前は値上げといえば何年ぶりか、というイメージでしたが、ここのところ1年の間に何度も値上げのニュースを見聞きするので、正直値上げ報道に慣れ切っています(笑)。200円になるのも時間の問題ですよね。ただ、買うなら量販店のように安く売っているところとか、ファミリーパックを買うとか、買い方は今後考えてしまいそうです」

 このところ頻繁になってきたアイスの値上げ。ついに200円に近づき始めたとあって、「100円」で時が止まっていた世代には驚きが大きいようだ。(了)