ハリス副大統領、代議員の過半支持を確保…一日でトランプ氏「対抗馬」固める

AI要約

米国のカマラ・ハリス副大統領が民主党の大統領選候補に急浮上し、バイデン大統領の候補辞退後、一日で代議員の支持を確保した。これにより、ハリス副大統領対トランプ前大統領の対決構図が事実上確立された。

ハリス氏は中産層の強化や銃器規制、生殖権の保障などを目標に提示し、トランプ氏を攻撃戦略の対象とする方針を示した。さらに、堕胎権問題を「武器」として選挙戦で活用する意向も明らかにした。

民主党はバイデン辞退後に後援金が殺到し、候補決定を急ぐ姿勢を見せている。一方、オバマ元大統領など一部の支持者は公式支持宣言を保留しているが、支持の列は着実に広がっている。

ハリス副大統領、代議員の過半支持を確保…一日でトランプ氏「対抗馬」固める

米国のカマラ・ハリス副大統領がバイデン大統領の候補辞退から一日で民主党の大統領選候補になるための代議員支持を確保した。これによって11月の大統領選挙でハリス副大統領対トランプ前大統領間の対決構図が事実上固まった。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)は22日(現地時間)、「ハリスは(バイデンが辞退した)初日が終わる頃、候補になるための代議員の過半を確保した」と報じた。AP通信は4000人に近い民主党誓約代議員を対象に調査した結果、2471人がハリス氏に対する支持を表明し、「大統領選候補になるために必要なマジックナンバーを一日で確保した」と伝えた。

関連の報道以降、ハリス氏は声明を通じて民主党大統領選候補として「指名を受けるための広範囲な支持を確保した」と明らかにした。ハリス氏は「近く候補指名を公式に受諾できることを心待ちにしている」と付け加えた。

この日、ハリス氏はデラウェア州ウィルミントンの選対本部を訪れた。選挙を引っ張る「本陣」から攻めるという意味だ。ハリス氏は選対本部の演説で「今後やってくる数日、数週間、皆さんと共に民主党を団結させる」とし「また、この国を団結させて大統領選挙で必ず勝つ」と話した。あわせて「私はトランプのようなタイプをよく知っていて、選挙期間中、自信を持って私の経歴を彼の経歴に対抗して印象づけるだろう」と強調した。ハリス氏はカリフォルニア州司法長官兼検事総長を務めた元検事だ。反面、トランプ氏は「セックススキャンダル口止め料支給」「大統領選挙結果逆転」「機密文書流出」「ジョージア州大統領選挙介入疑惑」などの刑事事件で88件の容疑がもたれている。セックススキャンダル事件については今年5月に有罪評決を受けた。選挙のフレームを「検事対犯罪者」の構図に持っていくという意味だ。

ハリス氏は中産層の強化、銃器規制、生殖権の保障(堕胎権利)なども達成目標に提示した。民主党支持層が重視してきた価値だ。

◇民主党、一日で後援金1100億ウォン…バイデン氏の3カ月分よりも多い

特にトランプ氏を女性を虐待する「捕食者」「詐欺師」などと描写して「もしトランプが機会を得れば彼はすべての州で堕胎を不法化する堕胎禁止法に署名するだろう」とした。堕胎権問題は米国内の女性有権者の投票者の心と直結するが、ハリス氏がこれを「武器」として取り出して今後の選挙戦で関連イシューとして扱うものとみられる。

バイデン氏の勇断とハリス氏の急浮上で再武装した民主党には「人とお金」が集まる雰囲気だ。

ナンシー・ペロシ前下院議長はこの日、X(旧ツイッター)に「巨大な自負心と我が国の未来に対する無限の楽観論でハリス副大統領を米国大統領候補として支持する」とし、支持の列に参加した。進歩陣営で強大な影響力を持つペロシ氏は前日にバイデン氏の辞退決定に対する立場を出しながらもハリス氏に対する支持宣言をしなかった。これに先立ち、ビル・クリントン元大統領とヒラリー・クリントン元国務長官も共同声明を通じて「ハリス氏を支援するためにできるすべてのことをやっていく」と明らかにした。また、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事、ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事、イリノイ州のJ・B・プリツカー知事、ピート・ブティジェッジ運輸省長官など次期大統領選候補群に分類される人物はもちろん、重鎮議員の多数も一斉にハリス支持を宣言した。

まだ公式支持宣言をしていないのは民主党内で最も大きな支持層を抱えるオバマ元大統領と上院のチャック・シューマー院内総務、下院のハキーム・ジェフリーズ院内総務くらいだ。このうち院内指導部2人の支持声明は目前に迫っているという観測もある。彼らはこの日共同声明を通じて「党と国家を統合するために共に努力し、まもなくハリス氏と会うことができることを期待する」と明らかにした。ただし、過去の選挙の時も候補選出の時まで中立を守ってきたオバマ氏の場合、ハリス氏が候補として公式指名されるまで慎重な立場を見せる可能性もある。これに関連し、ワシントン・ポスト(WP)は「ハリスがオバマの選対委員長を過ごしたデビッド・プラフを呼び入れようとしている」と報じた。

「金脈」が切れた民主党にはバイデン辞退24時間後に8100万ドル(約126億円)の後援金が殺到した。これは2020年以降、一日に募金した最高金額であり、トランプ氏が有罪評決直後に募金した5300万ドルを超える。バイデン氏が昨年再選キャンペーンを開始した後、最初の1四半期の間に確保した後援金7200万ドルよりも多い。

一方、民主党全国委員会はこの日オンライン投票を通じて来月7日前までに党候補を確定すると明らかにした。7日はオハイオ州の州法が定めた大統領選候補登録の締め切り日だ。