35歳「両親に将来を潰された」男性の深すぎる苦悩…自力で進学校へ進学、しかし現在フリーターのワケ

AI要約

過去の就職氷河期から現在までの社会背景について

フリーターの苦悩や将来への不安について

35歳のフリーターが抱える過去と現在の葛藤について

35歳「両親に将来を潰された」男性の深すぎる苦悩…自力で進学校へ進学、しかし現在フリーターのワケ

少子高齢化により売り手市場と言われる就職活動だが、いまから20年ほど前までは、その門が閉ざされ「フリーター」として生きることを選択する人も珍しくなかった。

厚生労働白書によれば、1997年当時、大卒の求人倍率は1.45から2000年には0.99と1%を切る勢いで下落。同時期の高卒の倍率も1.77から1.30までに落ち込む「就職氷河期」を迎えた。

その後、新卒の求人は回復基調にのったものの、2008年のリーマンショックの影響でふたたび降下。その救済措置として第二新卒が設けられ、学校を卒業した数年間は新卒と同じ扱いとして就職活動ができる制度が整えられた。

しかし、そこでも企業に就職できなかった人たちも依然として多く、現在においても就職氷河期に正社員で採用されなかった者は厳しい状況に置かれ、将来への不安や未婚者の増加など、その因果関係を含めて社会問題として大きく取り上げられている。

今回、カウンセラーの安藤房子氏のもとを訪れたフリ太さんもこの就職難の時期に学校の卒業を迎えた男性だ。35歳、高校を卒業して以降、ずっとフリーターとして職を転々としてきたという。

実家の両親との折り合いも悪く、地方から東京に上京して以来一度も実家に帰ることはおろか、居場所さえも知らせていないというフリ太さん。それなりに楽しくは暮らしているものの、将来を考え不安をつのらせる。

【相談内容】タイミーなどに登録をしてるフリーターです。親元を離れてそこそこ楽しくひとり暮らしをしていますが、未来に不安。今さら新しいスタートはできますか?(フリ太/35歳)

こんにちは。バイトでひとり暮らし、もう35歳。果たしてこのままでいいのかと考えるようになりました。こうなってしまった過去を少し聞いてください。

僕は関西で生まれ育ちました。ひとりっこです。僕が子供のころ、両親は小さな雑貨屋さんをしていました。中学にあがるころに、その雑貨屋さんは、あるコンビニのチェーン店になりました。そのほうが儲かるという両親の見立てだったのだと思います。

確かにお客さんは増えたし、売り上げは上がったようです。でも、深夜労働をしてくれる人を探したり、本部への上納金など、前はなかった苦労も垣間見えました。

そんな中、僕は塾などには通わず自力で公立高校に合格したんです。進学校でね。僕は勉強が好きで本が好きだったので、なんかこう……漠然と、どこかの大学の文学部に行きたいと思っていたんですよね。

特に古典が好きで、古典を研究とかできたらいいなあ……と、ぼんやり思っていました。中学から部活は帰宅部で、図書館から借りてきた本を家でじみーに呼んでるのが好きでした。

でも、高1の終わりくらいかな、両親に言われたんです。うちには大学に進学させるお金ないからって。……なにも言えなかったですね。

お金がないなら仕方ないし、両親は僕が大学で好きなことを学ぶことより、高校卒業後は早くどこかで働いて、なおかつ家のコンビニの手伝いをしてほしいとのことでした。

あー……なんかもうやだなって思いましたよね。確かに僕自身、まだ夢がはっきりは

していたわけじゃない。だけど、夢を育てる前に閉ざされてしまった。ならば、ここから抜け出すしかないと思ったんです。

親のコンビニで働いてもちゃんとバイト代をもらえないので、なんだかんだいってバイトの数を減らしてもらって、ちゃんとお金をもらえる「外のバイト」をするようになりました。