電動トラックで初の「1000kW急速充電」に成功、30分で400km走行分を充電

AI要約

MAN社の電動トラックが1000kW超の急速充電に成功し、約400kmの航続距離を30分で追加することが可能となった。

NEFTONプロジェクトにより、メガワット充電システムを使用した急速充電が実現し、電動トラックの長距離輸送でディーゼルトラックに代わる選択肢となった。

2030年までに5万の充電ステーションが必要とされており、MANはE.ONと協力し、ヨーロッパ全域に約400の充電ポイントを設置する計画を進めている。

電動トラックで初の「1000kW急速充電」に成功、30分で400km走行分を充電

フォルクスワーゲングループ傘下のMANは7月19日、ドイツのバイエルン州プラットリングにおいて、電動トラックが初めて1000kW超の急速充電に成功した、と発表した。

MAN社の40トン長距離電動トラックが、30分の充電で約400km分の航続を追加することができた。この充電実験は、2021年に開始されたNEFTON研究プロジェクトの成果発表の一環で行われた。

NEFTONプロジェクトは、ドイツ連邦経済・気候保護省の資金提供を受け、MANとミュンヘン工科大学(TUM)を中心に、科学と産業の5つのパートナーが参加している。プロジェクトの焦点は、メガワット充電システム(MCS)を用いた急速充電。ドライバーの休憩時間や荷物の積み下ろし時に、電動トラックを迅速に充電することを目指している。

メガワット充電により、電動トラックは長距離輸送を含むあらゆる輸送用途で、ディーゼルトラックに代わる排出ゼロの選択肢となる。ドイツでは、約80%の貨物が道路で輸送されており、これが温室効果ガス排出の大部分を占めている。したがって、排出ゼロのトラックへの転換は、パリ協定の目標達成に向けた重要な手段だ。

NEFTONの研究結果は、公共の高速充電インフラの重要性を明確に示している。地域および配送業務では、物流センターの自前の充電インフラで電動化が可能だが、長距離輸送の効果的な転換には、主要道路網の50kmごとに最大1MWの充電ステーションが必要。NEFTONは、最大3000kWの充電能力も調査しており、これにより将来的には電動トラックの効率と柔軟性が向上する可能性がある。

業界の推定によれば、2030年までに約5万の高性能およびメガワット充電ステーションが必要とされている。同年には、ヨーロッパで登録される新しいMANトラックの半数が電動になると予想されている。MANは、E.ONとのパートナーシップを通じて、ヨーロッパ全域で約400の充電ポイントを設置する計画を進めている。また、ダイムラートラックとボルボとの共同事業のMilenceを通じて、ヨーロッパで少なくとも1700の商用車充電ポイントを段階的に設置している。