広がる貯蓄格差がヤバイ?70歳代の平均貯蓄額や年金受給者のひと月の年金・生活費の内訳

AI要約

現代のシニア世代の貯蓄事情について解説しました。70歳代の平均貯蓄額や格差、金融資産非保有者の割合などが示されました。

高齢者の割合や就業者数についても触れ、現役として働き続ける高齢者がいる中で、老後の収入に不安がある実態が明らかになりました。

また、老後必要な資産額の急速な増加や貯蓄格差の拡大など、今後の経済情勢による影響も指摘されています。

広がる貯蓄格差がヤバイ?70歳代の平均貯蓄額や年金受給者のひと月の年金・生活費の内訳

かつて「老後2000万円問題」と呼ばれていた老後に必要な資産額は、物価上昇や少子高齢化の影響で今や不足する可能性も出てきました。円安や物価高の影響で、今後必要とされる資産額は急速に増えています。

なかでも資産価値目減りの影響を受けているのが、現代のシニア世代です。十分な貯蓄を備えられた人もいれば、年金すら満足に受け取れていない人もいるでしょう。今後の経済情勢によっては、ますます貯蓄格差が広がる可能性もあります。

現代のシニア世代の貯蓄事情は、どのようになっているのでしょうか。この記事では、70歳代の貯蓄額や生活費について解説します。後半では、現役世代が老後に向けてぜひ挑戦したい資産形成対策についても紹介します。

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初めに、国内の高齢者の割合を確かめてみましょう。

総務省統計局の「人口推計」によれば、6月1日現在の日本の総人口数は1億2389万人で、うち65歳以上の高齢者は3626万人と、全体の約30%を占めています。

次に、高齢者の就業者数を見てみましょう。総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)」によれば、2023年時点での65歳以上の就業者数は914万人となっています。前年と比べて2万人多い結果で、10年前と比べると277万人も増えています。就業者数全体では約14%を65歳以上の人が占める結果となりました。

よって、日本の高齢者の約4分の1が今なお現役として働き続けているといえます。シニア世代は貴重な労働力として現在も活躍しています。一方、65歳以上になっても働いて収入を得続けなければならないほど、老後は収入に乏しいともいえるでしょう。

では、70歳代の貯蓄額はいくらなのでしょうか。次章で解説します。

70歳代の平均貯蓄額を、単身世帯と2人以上の世帯に分けて見てみましょう。それぞれの結果は以下のとおりです。

 ・70歳代単身世帯の平均貯蓄額:1529万円

 ・70歳代単身世帯の貯蓄額中央値:500万円

 ・70歳代二人以上世帯の平均貯蓄額:1757万円

 ・70歳代二人以上世帯の貯蓄額中央値:700万円

70歳代の平均貯蓄額は単身世帯・二人以上世帯ともに1,000万円以上となっています。一方で中央値は単身世帯が500万円、二人以上世帯が700万円で、厳しい実態が明らかになりました。

特に「金融資産非保有」の人の割合と「3000万円以上」の人の割合の差が激しくなっています。「金融資産非保有」は単身世帯が26.7%、二人以上世帯が19.2%となっています。一方「3000万円以上」は単身世帯が17.3%、二人以上世帯が19.7%です。

平均貯蓄額は「多く保有している人」と「全く保有していない人」の二極化が進んでおり、現代のシニア世代ではすでに貯蓄額に格差が生まれていることがわかります。