日立、家庭用エアコンの製造から撤退へ 「白くまくん」の販売は継続
AI要約
日立製作所は家庭用エアコンの開発・製造から撤退し、米ボッシュに売却することを発表。
空調事業を再編し、家庭用エアコンのブランドは残しつつも生産をボッシュが担う。
日立は社会インフラやIT事業を中核に据える構造転換を進めている。
日立製作所は23日、家庭用エアコンの開発・製造から撤退する、と発表した。米社との空調合弁会社を自動車部品大手の独ボッシュに売却する。ボッシュとはライセンス契約を結び、国内の家庭用エアコン「白くまくん」のブランドは残し、ボッシュが生産を担う。国内の業務用事業は日立の子会社に移管する。
日立の家電子会社と、空調機などをつくる米ジョンソンコントロールズは2015年、空調の合弁会社を設立。家庭用と業務用の空調機器を開発・製造し、国内外で販売してきた。両社はそれぞれ40%と60%ずつの株式を保有していたが、25年6月までに全て売却する。日立の持ち分の売却額は約1950億円。
家庭用エアコンを手がける栃木事業所はボッシュの傘下に入るが、業務用を手がける清水事業所（静岡市）は日立の家電子会社に移管し、国内向けの業務用空調機器の開発・製造を続ける。「白くまくん」ブランドの家庭用エアコンの国内販売や保守サービスは日立子会社が担う。
日立は家電などの製造業から社会インフラやIT事業を中核に据える構造転換を進めている。今回の空調事業の再編も「選択と集中」の一環とみられる。（田中奏子）
