中国の大手ファンド、従業員給与に上限設定 超過分の返還要求

AI要約

中国のファンド2社が従業員の給与に上限を設ける措置を取る。規制は政府の緊縮政策に基づくもので、業界初の動きとなる。

招商基金管理は年収の上限を300万元に設定し、超過分は昨年分から返還を要求。ボセラ・アセット・マネジメントも同様の措置を実施し、従業員に290万元の上限を設けた。

ファンド業界の給与削減は経済成長の減速や共同富裕政策が背景にあり、証券監督当局は業界の利益を監視する姿勢を強化している。

Samuel Shen Selena Li Julie Zhu

[23日 ロイター] - 中国を代表するファンド2社が従業員の給与に上限を設け、超過分を徴収することがわかった。関係者が明らかにした。政府の緊縮政策を受けた業界初の措置となる。

関係者3人によると、中国招商基金管理は先月、従業員の年収の上限を今年から300万元(41万3297ドル)とし、それ以上は昨年分から返還するよう要求した。年収引き下げは早ければ今月中にも行われる予定。

また別の関係者2人によると、ボセラ・アセット・マネジメントも年収に290万元の上限を設定した。従業員にそれ以上の昨年分給与を返還するよう要求し、6月に実施されたという。

国有コングロマリットの中国招商局集団は招商基金管理の100%、ボセラの49%を所有し、どちらも深センを拠点としている。

ファンド業界の給与削減の動きは、経済成長が減速する中、格差是正を目的とした「共同富裕」推進が背景となっている。また証券監督当局は、株価の低迷にもかかわらず業界が多額の利益を得ているとの指摘を受け監督を強化している。