ラーメン好きコラムニストが早稲田の名店「メルシー」で20年間、「ラーメン」と「ポークライス」を頼み続けた”罪深い”理由
早稲田の『メルシー』が急に閉店した理由と再開の可能性について語られている。
この古くからあるラーメン店は早稲田大学生に人気があり、手頃な価格で食事ができた。
著者の学生時代にはあまり知られていなかったが、現在は有名な店となっている。
早稲田の『メルシー』がなくなった。
ラーメンで有名な店である。
休業したのだ。
いきなりのことであった。
6月末、急に数人から、「メルシーがなくなるそうです!」という連絡があり、それは当日のことだった。
7月になって店前に行ったら、紙が貼ってあった。
突然ではございますが
諸事情により六月いっぱいをもちまして
一旦閉店することになりました。
お知らせする間もなく申し訳ございません。
長い間ご愛顧いただきまして
心より感謝申し上げます。
「メルシー」
いちおう、一時的な閉店ということになっている。
働き手が足りないので、秋には再開したいという話もあって、それだったらちょっと長めの夏期休暇でしかない。
でも最後の「長い間ご愛顧いただきまして 心より感謝申し上げます」がめちゃ気になる。ひょっとしてこのまま再開しないのではないかと考えてしまうが、でも、そこは考えてもしかたがない。待つしかない。
メルシーは早稲田にある古い店である。
ラーメンがメインの店だが、ラーメン専門店ではない。オムライスやドライカレーもある。
早大生愛用のワセダらしい食堂だ。
だから安い。
ラーメン1杯550円だった。
これも近年に3回値上げしてこの値段になったわけで、2010年代はずっとラーメンは「400円」だった。世のラーメンが750円くらいだった時代、だいたい半額でやっていた。
そういう店である。
古くからある。
私の学生時代(1979年~1984年)にもあったはずだが、私は学生時代に行っていない。
その時代はそこまで有名ではなかった、のだとおもう。
1980年ころ、私がよく通っていたワセメシ(早稲田大学周辺の学生愛用の食事処)は「おふくろ食堂」「オトボケ」「キッチンカナリヤ」「キッチン南海」「尾張屋」などだった。あとは第一学生会館地下の「何の具も入ってないカレーが200円」の食堂である。
そこから道一筋ちがうメルシーは私は学生時代に行っていない。たまたま私が行ってないだけという面もあるのだろうが、でもサークルでもクラスでも誰にも誘われなかったし、話にも出ていなかったから、いまとはずいぶん状況が違っていたとおもう。