50代以降で「早期退職する人」は要注意…今後の人生を考えると「5つの職種」をおすすめできないワケ

AI要約

早期退職や希望退職が増加している現状について、転職時に避けるべき3つの職種について考察。

IT関連業界は変化のスピードが速く、経験者でも新しい情報に追いつくのが難しい。

接客業や事務、低賃金職種も中高年がストレスを感じやすいため、注意が必要。

50代以降で「早期退職する人」は要注意…今後の人生を考えると「5つの職種」をおすすめできないワケ

早期退職、希望退職を募る企業が増えている。昨今の人手不足で、「辞めても次の仕事がある」という背景もあり、世相に悲壮感は漂っていない。

しかし、“仕事はある”と言っても、希望の職種に就けるかどうかは、別問題。気持ちだけは若く、「まだまだ働ける」と思っていても、実際に転職してみると、今までのように結果を残すことができない人も少なくない。妥協した職場を選んでしまい「こんな仕事はしたくなかった」と後悔する人や、想定以上のストレスで心が病んでしまう人など、早期退職の“その後”でしくじるケースは思いのほか多い。

経営コンサルタントとして、多くの職場環境をみてきた観点から、50代以降のサラリーマンが転職する際、「避けたほうがいい3つの仕事」について前編記事〈もはや「頭を使う仕事」は厳しい…?50代以降で「早期退職する人」におすすめできない「3つの仕事」〉で紹介した。

本稿では、もう少し具体的に、早期、希望退職者の「この仕事は回避したほうがいい」という職種を考察していきたいと思う。

まず、お勧めしないのが「IT関連」である。多くの業務でデジタル化が進み、業界の経験者以外でも、比較的、給与が割高なIT企業への転職を考える人が多い。

しかし、IT関連の仕事は変化のスピードが早く、経験者でも新しい情報をキャッチアップすることが難しい。生成AIを使う業務も増えており、中途半端なスキルでこの業界に飛び込んでしまうと、トレンドについていけず、思うように成果をあげられなくなってしまうことも考えられる。

積み重ねてきた経験が逆に足枷になってしまうのも、この業界特有の問題といえる。実践してきたネットマーケティングが突然通用しなくなったり、学んできたプログラミングの知識が古くなってしまったり、身に付けたスキルの劣化が早いことも、中高年がこれらの仕事をしづらくなってしまう理由のひとつと言える。

もうひとつお勧めできないのは、「接客業」である。50歳を過ぎると徐々に反射神経が鈍くなり、若い頃に比べて気配りができなくなるシーンが目立つようになる。以前は気づいていたことも見落としてしまう機会が増えて、必要以上に老いを感じやすいのも、接客業の特徴といえる。

職場にいる年下の店長やパートやアルバイトと、仕事に対する考え方や姿勢にギャップを感じたり、若いスタッフと同じように機敏に動けない自分に気落ちしたり、中高年がストレスを感じやすい職場環境のひとつといえる。

三つ目にお勧めできないのは、「事務」の仕事である。座ったままでできる仕事なので、体力が落ちてきている中高年にはお勧めの業務ではある。しかし、身体を酷使しない仕事は、若い人や女性にも人気の職種でもあり、よほど総務や人事の経験が豊富な人でなければ、高い求人倍率をくぐり抜けることは難しい。

仮に採用されたとしても、老眼でパソコンや書類の文字が見えにくくてストレスを感じたり、座りっぱなしの仕事で肩凝りや腰痛が悪化したり、思いのほか身体の丈夫さが問われる業務といえる。

四つ目にお勧めしたくないのは、「業界全体の給与水準が低い職種」である。待遇面にこだわらず、自宅からの近さや、知人の紹介などの理由で、安易に職場を選んでしまう人は少なくない。しかし、低賃金のイメージが強く残る職種に就いてしまうと、働き手が集まらない事情から、業務のオペレーションが回らなくなっている可能性が高い。

給与水準が低い職場は、対人関係でも問題を抱えているケースが多い。体験入社などを通じて、事前に職場環境や働いている人の様子を把握したほうがいいだろう。