27馬力アップの612馬力エンジンで最高時速は317キロ！ メルセデスAMGの最高峰モデル 新型「AMG GT63プロ」世界初公開

　メルセデスAMGは2024年7月12日、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、最新モデルの「AMG GT63プロ 4マティック+」を発表しました。

　どのようなクルマなのでしょうか。

　メルセデスAMGのトップパフォーマンスモデル、メルセデスAMG GTは、2023年に2代目にフルモデルチェンジされましたが、その最強モデルとなるGT63プロ 4マティック+（以下、GT63プロ）が初お披露目されました。

　第2世代となるメルセデスAMG GTは、先代よりも日常的な使いやすさを求めるカスタマーの要求に基づき、余裕のあるキャビンと視界の良さが特徴的です。オプションで+2のリアシートも装着できます。

　AMG アクティブライドコントロールサスペンション、後輪操舵、アクティブエアロダイナミクスといったハイテク装備も、ドライブフィールをシャープにしてくれます。さらに、駆動方式にはAMGによる全輪駆動システム「4マティック+」を採用しています。

　メルセデスAMGのエンジン専門チューナーが手がけた4.0リッター（正確には3982cc）のV8ツインターボエンジンの最高出力は450kW（612馬力）／5500ー6500rpm、最大トルクは850Nm／2350-5000rpmを発生します。この数値は、AMG GT63よりも20kW（27馬力）と50Nmアップされています。

　このパワースペックは、エンジンコントロールユニットの適応化で達成されました。

　組み合わされるトランスミッションは、AMGスピードシフトのMCT9Gと呼ばれる9速AT。0-100km／h加速はわずか3.2秒。0-200km／h加速は10.9秒で、GT63より0.5秒速いです。最高速度は317km／hに達します。

　また、高速走行などで負荷が増加してもドライブトレーンが熱くなりすぎないように、冷却回路を強化しました。

　2つのラジエターが左右のフロントフェンダー前に配され、ドライブトレーンの冷却性能を向上させています。サーキット走行などでもパフォーマンスを向上させるでしょう。

　前後アクスルのディファレンシャル上部に取り付けられたラジエターにより、4マティック+のトランスファーケースは積極的に冷却されます。電気式ウオーターポンプにより冷却水はそれぞれの冷却回路で循環し、トップマウントのラジエターを介して、パワートレーンの熱を効果的かつ継続的に放散します。

　アンダーボディのエアガイドベーンはジオメトリーを変更し、ブレーキカバープレートも改良して、より多くの空気がブレーキにあたるようになりました。これにより、耐久性が向上し、ブレーキの高温化を防ぎます。

　エクステリアでは、空力性能を向上させています。フロントエプロンを再設計し、サイドのエアインテークは拡大され、そのまわりにカーボン製のエアディフレクターを追加しました。

　アンダーボディのアクティブ・エアロダイナミクス・プロファイル、フロントエプロンのアクティブ・エアコントロールシステム、リアエンドに固定式リアウイングを備えた、エアロダイナミクスパッケージも標準装備しています。

　高速走行時にフロントアクスルのリフトは30kg以上減少され、さらに正確なステアリング操作が可能です。

　GT63プロには、メルセデスAMG ワンと同様にアンダーボディにエアディフレクターを追加しています。これがアンダーボディの空気の流れを加速させ、リアウイングとの相互作用で、リアアクスルのダウンフォースは約15kg増加します。

　ブレーキは、フロントに6ピストン固定キャリパー、リアに1ピストン フローティングキャリパーを備え、前輪のセラミックブレーキディスクは420mmの大径です。

　タイヤは、フロントが295／30ZR21、リアが305／30ZR21のミシュラン パイロットスポーツ5を標準装備し、これをグレーマットで塗装したクロススポークデザインの21インチ鍛造ホイールに装着しています。

　ブラック塗装のブレーキキャリパー、サイドサポートを高めたAMGパフォーマンスシート、ナッパレザー／マイクロファイバーのAMGパフォーマンス ステアリングホイールも標準装備されています。