これからのAI時代で成功するのは「顔」を見せるクリエイターと経営者だ

AI要約

アレクシス・オハニアンは、価値創造のシフトとクリエイターの台頭について予見している。

インターネットの普及により、起業家やクリエイターが成功しやすくなっている。

オハニアンは、将来的にAIが普及する中で人間らしさが再評価されると考えている。

これからのAI時代で成功するのは「顔」を見せるクリエイターと経営者だ

2024年に19年越しの上場を果たしたソーシャルメディア「Reddit(レディット)」。数々の社会現象を巻き起こしてきた掲示板サイトの創業者アレクシス・オハニアンは、時代を先読みしてきたインフルエンサーだ。その彼が考える次代の「成功者」とは。

「価値創造が、コネのあるMBAからイノベーターへとシフトするにつれて、富の創造もシフトする......〔中略〕......Forbesの長者番付、あるいはそれに相当する未来の番付には、ビジネスパーソンが大幅に減り、逆にクリエイターが増えるだろう」

アレクシス・オハニアン(41)は2013年に出版した自著『Without Their Permission(許可を待たずに)』(未邦訳)のなかで、そう予見している。インターネットという開かれた空間により、誰もが従来よりも容易に起業から資金調達、マーケティング、販売までできるようになるというものだ。

それから10年超、世界は多くの起業家の台頭を目の当たりにしている。MrBeastことジミー・ドナルドソンのように、YouTubeでの活動を起点に推定5400万ドルも稼ぐクリエイターも出現。起業家を含む「クリエイター(創造者)」たちが、Forbesのビリオネアリストに名を連ねるようになっている。オハニアンはなぜ、この潮流に気づいたのか。彼は“予言”についてForbes JAPANにこう話す。

「人々がインターネットで赤の他人から情報を得たり、楽しんでいたりしたんだ。ソーシャルメディアでも同じだった。MrBeastに出会ったのもその頃だよ」

現在はベンチャー投資家(VC)として活動するオハニアンだが、米ソーシャルメディア「Reddit(レディット)」の共同創業者というほうがピンとくる人もいるかもしれない。05年創業のレディットは、24年3月に米ニューヨーク証券取引所(NYSE)へ上場を果たした。米名門アクセラレータ「Yコンビネータ」の第1期生として立ち上げられてからじつに19年越しの悲願達成である。

投資家としても古巣のYコンビネータや、イニシャライズド・キャピタル、現在のSeven Seven Six (776)を通じて、民泊アプリ「Airbnb(エアービーアンドビー)」、食料品宅配アプリ「インスタカート」、暗号資産取引所「コインベース」などに出資。出資先の一人であるMrBeastは今や、YouTubeで約2億5600万人(24年5月現在)のチャンネル登録者数を誇り、ハンバーガーチェーンを展開するほどだ。チャットボットChatGPTや画像生成ツールDALL-Eのような生成AI(人工知能)を使うのが当たり前になる今後、こうしたクリエイターの数は膨れ上がる、とオハニアンは予測し、だからこそ“人間らしさ”が再評価されると語る。