ANAと豊田自動織機、国内空港初のトラクター無人運転 羽田で試験運用、25年実用化へ

AI要約

ANAと豊田自動織機が羽田空港で完全無人運転トーイングトラクターの試験を実施中

自動運転レベル4のトラクターがコンテナを牽引し、省力化・自動化を目指す

新システムや遠隔監視機能を採用し、安全性と効率性を向上させる取り組み

ANAと豊田自動織機、国内空港初のトラクター無人運転 羽田で試験運用、25年実用化へ

 全日本空輸(ANA/NH)と豊田自動織機(6201)は、自動運転トーイングトラクター(牽引車)による試験運用を、7月1から19日まで羽田空港の制限区域で実施している。国内空港では初となる完全無人運転の「自動運転レベル4」の試験で、2025年中の羽田空港での無人搬送の実用開始を視野に入れ、グランドハンドリング(グラハン、地上作業)の省力化・自動化を目指す。

 今回の試験運用では、自動運転のトーイングトラクターが貨物コンテナを牽引した状態でのレベル4の自動走行を検証。新たに開発した運用システムと組み合わせ、国内線第2ターミナルの63・64・65番スポットと、東貨物上屋を結ぶ片道約2キロを時速最大15キロで走行し、駐機場内や貨物上屋前でのオペレーション上の課題の抽出する。

 使用する自動運転トーイングトラクターは豊田自動織機が開発した車両で、自己位置推定や障害物検知システムを高性能化・冗長化し、空港内の環境や条件変化に対応できるようにした。

 また、新システム「FMS(Fleet Management System)」を新たに開発し、車両の運行管理や車両搬送指示、現場スタッフの作業項目などの情報を一元化。レベル4の自動走行では高い安全性が求められることから、異常が発生した場合に迅速に対応できるよう車両周囲の状況を把握する遠隔監視機能も搭載する。

 国土交通省航空局(JCAB)はグラハンの省力化・自動化に向け、空港の制限区域内での手荷物・貨物・旅客の輸送を想定した実証実験を官民連携で進めている。ANAと豊田自動織機の両社は2019年2月から、運転席に運転者が座り緊急時などに運転者が操作できる「自動運転レベル3」の実証実験を佐賀と中部、羽田の各空港で進め、旅客の手荷物や貨物が搭載されたコンテナを搬送した。