〔NY外為〕円、158円近辺=一時1カ月ぶり高値(15日)

AI要約
ニューヨーク外国為替市場での円相場が米長期金利の影響で下落し、トランプ氏の大統領候補指名が円売り・ドル買いを促すことが期待される状況となった。一方FRBパウエル議長は利下げに前向きな姿勢を示し、円買い・ドル売りの思惑が一時的に高まったがすぐに元に戻った。トランプ氏の大統領候補指名やFRBパウエル議長の発言が為替市場に影響を与えている。米長期金利の上昇やインフレ鈍化を受けた市場の動きや円相場の推移などが注目を集めている。

 【ニューヨーク時事】週明け15日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、米長期金利の上昇を背景にした円売り・ドル買いに、1ドル=158円近辺に下落した。午後5時現在は157円91銭~158円01銭と、前週末同時刻(157円76~86銭)比15銭の円安・ドル高。ただパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け、一時157円17銭と6月中旬以来約1カ月ぶりの高値を付ける場面があった。

 米共和党は15日午後、トランプ前大統領を大統領候補に正式指名した。トランプ氏が、負傷しながらも危機一髪の暗殺未遂を切り抜け、「強い指導者像」を印象付けたことで、大統領選に勝利するとの見方が拡大。市場ではトランプ氏が大統領に返り咲けば、財政赤字が拡大するとの見方から、米長期金利が上昇。日米金利差の観点から円売り・ドル買いが優勢となった。

 一方FRBのパウエル議長は15日、6月の消費者物価指数(CPI)など最近のインフレ鈍化を示す指標により、利下げに向けた「確信が若干増した」と明言した。その上で同氏はインフレ率が2%へ低下するまで利下げを手控えるのは「おそらくは長すぎる」との見解を明らかにした。パウエル氏が早期の利下げ開始に関して前向きな姿勢を示したと受け止める向きもあり、金利縮小の思惑から一時的に円買い・ドル売りが膨らんだが、すぐに発言前の水準まで戻した。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0890~0900ドル(前週末午後5時は1.0899~0909ドル)、対円では同172円27~37銭(同172円10~20銭)と、17銭の円安・ユーロ高。