家みたいな巨大な車両はタイヤも規格外! ブリヂストンに直系4mの「ORタイヤ」の秘密を聞いてみた

AI要約

ORタイヤは大型車両用のタイヤであり、高荷重に耐えるだけでなく悪路走破性も重視される。

構造上、乗用車用タイヤと異なり、スチールベルトやカーカスプライに特長があり、耐摩耗性や耐カット性が高いコンパウンドが使用されている。

舗装されていない荒れた路面でもトラクションとグリップを確保するためのタイヤパターンが採用されている。

家みたいな巨大な車両はタイヤも規格外! ブリヂストンに直系4mの「ORタイヤ」の秘密を聞いてみた

 クルマの足もとを支えているタイヤ。クルマの種類や目的によって大きさはさまざまだが、直径が4mもある大きなタイヤが存在しているのはご存じだろうか?

 それが、建設、鉱山現場などで使用されている車両に装着されているタイヤだ。これは、「ORタイヤ」とも呼ばれるタイヤだが、一般的な乗用車用タイヤとの違いなどはどこにあるのか? 製造しているブリヂストンに話を聞いてみた。

 まず簡単に、ORタイヤはどのようなものなのか紹介しよう。これを装着する車両は、ダンプトラックやホイールローダーなどだが、車両重量260トン、積載重量370トンという桁違いに重量級な車両に用いられる。この車両が装着するタイヤには、1本あたり約100トンもの荷重がかかるという。さらに、舗装されていない荒れた路面を走行しなければいけない。

 つまり、ORタイヤは高荷重に耐えるだけではなく、悪路走破性や荒れた路面でも壊れない頑丈さが必要とされるタイヤなのだ。

 大きなタイヤのサイズは種類によって異なるが、400tダンプトラック用だと直径約4m、幅約1.5m、重量はタイヤだけで5.5tにもなるそうだ。

 では、乗用車用のタイヤと異なる特徴はどんなところにあるのだろうか?

 まずは構造。トレッド面にあるスチールベルトは乗用車用のものは2層であることがほとんどであるが、ORタイヤでは6層にもなっているものがある。これは高負荷に耐えるためだ。また、骨格を形成するカーカスプライは、乗用車用はポリエステルが現在一般的だが、ORタイヤはより頑丈さを求めてスチールが採用されている。

 そして、外的要因からタイヤが損傷を受けないように(耐カット性)耐摩耗性が優れたコンパウンドやより厚いゴムが採用されている。舗装されていない路面を走行するため、悪路でもトラクションとグリップを得られるタイヤパターンが採用されているのも通常の乗用車用タイヤとは異なるポイントだ。