ドル上昇、米国債先物は値下がり-「トランプ2.0」意識した取引

AI要約

ドルはアジア時間15日の取引で上昇し、米国債先物は値下がり。トランプ前米大統領の選挙集会での銃撃を受け、トレーダーはトランプ氏有利の見通しを強めている。

共和党のトランプ氏が11月の大統領選で勝利し、減税や関税引き上げを実施するとの見通しを反映。ドルはG10通貨全体に対し上昇し、暗号資産ビットコインも高値を付けた。

アジア株は下落し、中国のGDP統計は経済成長の鈍化を示した。S&P500種株価指数先物は米国株の値上がりを示唆している。

(ブルームバーグ): ドルはアジア時間15日の取引で上昇。米国債先物は値下がりしている。選挙集会で銃撃を受けたトランプ前米大統領が大統領選を有利に進めるとの見方をトレーダーは強めている。

ドルはG10通貨全てに対し上昇。メキシコ・ペソが売られ、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは約2週間ぶりの高値を付けた。

こうした動きは、共和党のトランプ氏が11月の大統領選を制し、減税や関税引き上げを実施するとの見通しを反映している。日本は祝日のため休場だが、欧州で米国債の現物取引が始まれば、国債利回りが上昇すると先物は示している。

アジア株は下落。香港に上場している中国本土企業から成るハンセン中国企業株(H株)指数は下げ幅を拡大した。中国が15日発表した4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)統計は経済成長の鈍化を示した。

中国の4~6月GDP、予想下回る4.7%増-5四半期ぶり低成長

S&P500種株価指数先物は、米国株が値上がりして始まることを示唆している。

サクソ・キャピタル・マーケッツのマーケットストラテジスト、チャルー・チャナナ氏は「トランプ2.0の可能性が高まったことを市場は織り込み、ドルに追い風が吹く一方、メキシコ・ペソと中国人民元は下落する可能性がある。『トランプトレード』が再び注目されるかもしれない」と述べた。

再度のトランプ政権がいわゆるトランプトレードに連動するエネルギー企業株などの資産をどのように押し上げるか、投資家は見極めている。

三菱UFJ銀行シンガポールのストラテジスト、ロイド・チャン氏は「一般的にリスクオフ環境からドルが恩恵を受けると想定される」と指摘し、神経質な相場展開でドルが1日を通じ上昇を続ける可能性があると予想した。投資家は引き続き円買い介入リスクに神経をとがらせている。

世界の金融市場でトランプトレード強まる可能性、暗殺未遂事件受け

原題:Dollar Up, Bond Futures Down on Trump-Win Bets: Markets Wrap、Dollar Outperforms Peers on US Political Risk: Inside G-10(抜粋)