空売り筋、4-6月期に100億ドルの評価益-S&P500種上昇持続でも

AI要約

空売り筋が今年4-6月に利益を上げることができたこと。

主要テクノロジー企業の決算や米金融当局の動向が今後の株価に影響する可能性。

株式市場の状況や市場勢いが空売り筋の成功にどのように影響しているか。

(ブルームバーグ): 空売り筋にとって今年4-6月(第2四半期)はもうかる四半期となった。米株式相場が全般に上昇を続けた中でも株式の値下がりを見込む賭けが成功した。

S3パートナーズのデータによると、株価下落で利益を得ようと株を借りて売る空売り筋は4-6月期に100億ドル(約1兆6100億円)の評価益を蓄積した。

S3の予測分析担当マネジングディレクター、イーホリ・ドゥサニウスキー氏は、工業とヘルスケア、金融などのセクターでの評価益がテクノロジーでの157億ドルの評価損を相殺したと指摘。「彼らは銘柄選別が実に良かった」と述べ、同四半期に株価が下落したIBMやクラウドフレアなどでの手堅いトレードに言及した。

米株式相場が上昇する中で、空売り筋が利益を得られる状況は、マクロ経済が不透明な中で投資家が一部の大型テクノロジー株に集中し、他のセクターの一部が弱含んでいることを示唆している。

S&P500種株価指数は4-6月に3.9%上昇。主導したのはエヌビディアで37%近く値上がりした。ハイテク株比率の高いナスダック100指数は同期間に7.8%上昇した。

ドゥサニウスキー氏は空売り成功の一因として、取引方法を決定する際に市場の勢いを重視したことに挙げた。「市場の速度は、企業の根本的なファンダメンタルズよりも重要だ。ロングもショートも、以前よりずっと流れに乗っている」と分析した。

もちろん、勢いは急変する可能性がある。LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏は、移行期が来ると警告する。4-6月期の企業決算発表が迫っており、主要テクノロジー企業の決算が期待外れの内容となれば株価は一気に下落する可能性がある。米金融当局がいつ利下げに踏み切るかも注目されており、クロスビー氏は「非常に注意しなければならない」と語った。

原題:Short Sellers Gained $10 Billion in Quarter Amid S&P 500 Rally(抜粋)

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