ジョージアはなぜ「SNS映え」を重視した?ブランド刷新に見るマーケ的「スゴさ」

AI要約

コーヒー飲料ブランド「ジョージア」が昨年大幅なブランド刷新を行い、若年層向けのPR施策を展開している。

ブランド刷新には、ロゴ変更やメディア展開、Webコンテンツの充実などが含まれる。

全体として、ジョージアのマーケティング戦略は、若者世代をターゲットにした施策が際立っている。

ジョージアはなぜ「SNS映え」を重視した?ブランド刷新に見るマーケ的「スゴさ」

 コーヒー飲料ブランド「ジョージア」が昨年大幅なブランド刷新を行ったことをご存じでしょうか。ロゴの変更をはじめとした大胆な変革を行った同ブランドですが、ブラント刷新に際して行ったPR施策は、マーケティング視点から学ぶべきある「すごさ」があります。それは一体何でしょうか。グーグルでシニアマーケティングリサーチマネージャーを務めた多田翼氏が解き明かします。

 日本コカ・コーラのコーヒー飲料「ジョージア」が登場したのは1975年です。それ以来、RTD(Ready to Drink)飲料、すなわち容器入り飲料として、多彩なラインナップをそろえ人気を博してきました。

 そんなジョージアは、2023年3月にブランドを大刷新しました。14年ぶりとなるブランドロゴの刷新をおこなうとともに、主力ペットボトル製品をリニューアルした新たな製品ラインナップを投入しました。

 ブランドロゴの刷新では、青地に白い文字でブランド名が記載されていた従来のデザインから、黄色いひし形の下地に茶色いコーヒー豆と立ち上るコーヒアロマのイラストがブランド名と一緒に描かれたデザインに刷新され、ガラリと印象が変わっています。

 同ブランドはキャンペーンメッセージに「毎日って、けっこうドラマだ。」を掲げて広告活動を展開。今年5月からは俳優の向井理さん、浜辺美波さん、パリ五輪世代のバスケットボール日本代表選手である河村勇樹さんをブランドセレブリティとして起用し、広告やテレビCMを放送しています。

 また、昨年は、TBSラジオとコラボも行い、若者世代に人気のモデル、藤田ニコルさんのラジオ番組でジョージアにちなんだコーナーを放送するなど、積極的なメディア展開を行っています。

 ブランド刷新に際した日本コカ・コーラの発表では「『ジョージア』ブランドを次世代に続くブランドへと成長させ、新たなRTDコーヒーの需要開拓を突き進める」という方向性が示されている通り、ブランド刷新においては、Z世代をはじめとする若年層への訴求が目立っています。

 その代表例と言えるのが、Webコンテンツの充実です。同社はブランド刷新に併せて、キャンペーンメッセージちなんだWebコンテンツとして、特設サイト「毎ドラ部」を開設しました。

 毎ドラ部では、撮影した写真をZ世代に人気のイラストレーター、ゆりぼうさん、ダニエルさんのタッチに変換することができる「AIイラストメーカー」や、『ブルーロック』や『ちはやふる』といった人気コミックスの表紙風の写真を作成できる「わたしが表紙ジェネレーター」といったコンテンツを展開。今年5月からは、最新コンテンツとして、今の気持ちや関心事を選択すると、生成AIが占いをしてくれる「AI明日メーカー」をリリースしています。

 では、そんなジョージアの事例から、マーケティング視点で何を学ぶことができるのでしょうか。