ビットコイン急落、マウントゴックスの「1兆円を超える売却」への懸念で

AI要約

7月8日にビットコイン価格が大幅に下落し、2月以来の安値をつけた。この下落は、ビットコイン現物ETFへの関心低下やマウントゴックスの債権者による売却への懸念が要因。

ビットコイン価格は急落後に一時的な値戻しを見せ、過去1カ月で約18%下落した。イーサや他の主要暗号資産も同様に下落。マウントゴックスの破綻と関連する80億ドル相当のビットコインの弁済が市場を不安にさせている。

市場の下落には、ドイツ政府のビットコイン処分計画など複数要因が影響している。ドイツ政府は約22億ドル相当のビットコインを保有している。

ビットコイン急落、マウントゴックスの「1兆円を超える売却」への懸念で

ビットコインの価格は、米国時間7月8日に大幅に下落し、2月以来の安値をつけた。この下落は、ビットコインの現物ETFへの関心の低下や2014年に破綻した取引所のマウントゴックスの債権者による売却への懸念を受けてのものだ。

ビットコインの価格は、8日深夜に6%以上急落した後にやや値を戻し、午前3時過ぎに約5万5500ドルをつけた。この価格は2月以来の安値であり、3月の史上最高値の約7万4000ドルからは、約1万8000ドルの下落となった。ビットコインは、9日時点で5万7000ドル台に回復したが、それでも過去1カ月で約18%下落している。

時価総額でビットコインに次ぐ世界第2位の暗号資産のイーサも同様に下落し、8日に一時7%以上急落した。バイナンスのBNBやソラナ、XRP、ドージコイン、カルダノなどの主要な暗号資産も、同期間に一時9%から11%急落した。

ビットコインの急落は、現物ETFへの関心の低下や金融政策の不確実性、さらには2014年に経営破綻した東京の交換業者マウントゴックスの再生管財人が、債権者に約80億ドル(約1兆2800億円)相当のビットコインの弁済を開始し、債権者が大量のビットコインを売却する可能性が懸念される中で発生した。

かつて世界最大の取引所として知られたマウントゴックスは、2011年から2014年にかけてハッカーに保有するビットコインの大部分を盗まれ、破産を宣言した。ビットコインは現在、同取引所が破産を宣言した時の約10倍の価値で取引されており、盗まれたコインの総額は現在の価値で580億ドル(約9.3兆円)を超えるとCNBCは報じている。

マウントゴックスは、破綻した後に一部のビットコインを取り戻し、それを債権者に弁済する。彼らは、当時をはるかに上回る価格で大量のビットコインを現金化することが予想され、市場はそれがビットコインの価格の下落につながることを懸念している。

今回の市場の下落の背後には、ドイツ政府がさまざまな犯罪グループから押収したビットコインを処分しようとしている兆候も挙げられる。ドイツ政府は約22億ドル相当のビットコインを保有しているとされている。