自転車の違反で「免許停止」ってマジか? 厳罰の背景にあるものとは

AI要約

自動車免許を持つ人が自転車で交通違反を犯すと免許停止の可能性がある

自転車事故の大幅増加に伴い、自転車による交通違反に対する罰則が厳しくなっている

自転車運転者は交通ルールを厳守し、自動車運転者との共存を意識する必要がある

自転車の違反で「免許停止」ってマジか? 厳罰の背景にあるものとは

 自動車免許を持っている人のなかには、日常生活で自転車を利用する人も多いだろう。自転車は手軽で環境に優しい移動手段だが、ルールを守らないと深刻な結果を招くこともある。

 実は、自転車による交通違反で

「免許停止処分」

を受ける可能性があるのを知っているだろうか。

 実際に愛知県警で、自動車の運転免許を持つ人が自転車で飲酒運転を行った際、重大な事故を未然に防ぐために

「自動車の運転免許の停止処分」

を決定した事例がある。これは、飲酒運転が自転車であっても非常に危険であり、他者の安全を脅かす行為であるためだ。このような厳格な対応は、自転車の飲酒運転を抑制し、交通安全を向上させるために重要とされている。

 では、具体的にどのような交通違反をすると自動車運転免許に影響を与えてしまうのか。最近導入された自転車による交通違反の罰則とともに、紹介していこう。

 まず、自転車が交通事故の第1当事者となる場合、自動車運転免許の停止処分を受けることがある。これは、自転車も

「交通ルールを守るべき車両」

として扱われるためである。例えば、2018年に大阪府で発生した自転車と歩行者の接触事故では、加害者の自転車運転者が悪質な行為と判断され、免許停止処分が科された。

 自転車事故の増加を受け、2024年3月に道路交通法の改正案が閣議決定された。この改正案の主要な内容は、自転車による交通違反に対する反則金制度(青切符)の導入だ。

 この制度は、運転者が比較的軽度の交通違反を犯した場合、一定期間内に反則金を支払うことで刑事罰を免れ、違反が処理されるものである。現在、この制度は自動車やバイクの違反に対して適用されており、青切符で処理される。

 この制度が対象とする自転車の違反行為は112種類あり、信号無視や一時不停止、通行区分違反(右側通行、歩道通行)など、自動車でも交通違反に該当する行為に加え、自転車の歩道徐行等義務違反といった自転車特有の行為も含まれる。ちなみに同制度は、

「義務教育を終え、基本的な自転車の交通ルールについての最低限の知識を持っている」

とされる、16歳以上の運転者に適用される。さらに、自転車を運転中に携帯電話などを使用した「ながら運転」、酒気帯び運転を行った場合の罰則も新たに設けられる。反則金は、例えば信号無視は6000円、一時不停止は5000円、ながら運転は1万2000円などとされる見込みだ。

 これらの改正は、自転車利用者だけでなく、自動車運転者にも影響を及ぼす。自転車と自動車が共存する交通社会において、互いを思いやる気持ちが改めて求められる。