エヌビディアの単一銘柄ETF、テスラから王座奪取-年初来400%高

AI要約

人工知能(AI)ブームに沸く投資信託(ETF)市場で、エヌビディア関連のETFが圧倒的な地位を占めている。

一方、電気自動車(EV)メーカーのテスラを中心に運用するETFは資金流入が減少しており、投資家の関心が急速にエヌビディアへ移行している。

エヌビディア関連のETFは市場で高い人気を誇り、その中でも特に「グラニトシェアーズ2倍ロングNVDA・デイリーETF」の成績が際立っている。

(ブルームバーグ): 上場投資信託(ETF)投資の投機的な一角に新たな銘柄が君臨した。

絶え間なく続く人工知能(AI)ブームのおかげで、エヌビディアは現在、単一銘柄を運用対象とするETFで圧倒的な地位を占めており、こうしたETF全体の資産の半分以上を占めている。一方で、電気自動車(EV)メーカーのテスラを中心に運用するETFの資産は全体の2割にとどまり、昨年の7割弱から後退したことが、JPモルガン・チェースとブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータで分かった。

テスラは株価が反発しているものの、デイトレーダーの間での地位は低下しており、株価の2倍の値動きを目指すETFを通じてエヌビディアに投資する妙味にトレーダーはますます引きつけられている。

BIのデータによると、エヌビディアに特化したETFへの資金流入は今年これまでに44億ドル(約7070億円)と、昨年全体の約6倍に達した。一方、テスラのみを対象としたファンドへの資金流入は、昨年の28億ドルに対し、今年は10億ドル強にとどまっている。

JPモルガンの調査チームは最近のリポートで、「エヌビディア関連ファンドの人気が高まっているのは、投資家がAIというテーマに注目し、株価が力強くアウトパフォームしているからだ」と指摘した。

単一銘柄ETFは、原資産となる株式のリターン拡大や逆の動きを目指すもので、2年前に登場した。現在、米国にはこうしたファンドが約60本上場しており、総資産は約130億ドルに上る。テスラやエヌビディアのほかにも、アップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなどを運用対象とするファンドがある。

昨年は、テスラ関連ファンドが単一銘柄ETFの資産と、1日のETF取引量の大部分を占めていた。しかし、今年はエヌビディアと、同社が火付け役となり今もあおり続けているAIブームが市場の話題をさらっている。

エヌビディア関連のETFの中でも、「グラニトシェアーズ2倍ロングNVDA・デイリーETF」(ティッカー:NVDL)は上昇が際立つ。原株の2倍の日次リターンを投資家に提供する同ETFは年初来で400%上昇し、資産は年初の約2億1000万ドルから50億ドル近くに拡大。ETFの日々の売買高上位リストに常に含まれている。