インドのモディ首相、8日からロシア訪問-中ロの蜜月関係けん制

AI要約

インドのモディ首相が5年ぶりにロシアを訪問し、プーチン大統領との会談が予定されている。

インドとロシアの関係は緊密であり、両国間には山積する議題があるが、大きな発表は期待されていない。

ロシアのウクライナでの戦争による制裁を受け、プーチン政権が中国に接近する中、インドはロシアと中国の関係を注視している。

(ブルームバーグ): インドのモディ首相は8日、5年ぶりにロシアを訪問する。9日までの滞在中にプーチン大統領と会談する予定だ。ロシアがインドのライバルである中国との関係を一段と深める中でのモスクワ入りとなる。

インドのクワトラ外務次官はニューデリーで記者団に対し、首脳会談が最近なく2国間の議題について「対処すべき問題が山積している」と述べた。

複数のインド上級外交官は、大きな発表はないだろうが、モディ首相の訪問は、両国が依然として緊密であるというシグナルを送ることを意図していると匿名を条件に述べた。

ロシアとインドの関係は冷戦時代にまでさかのぼる。ロシアはインドにとって最大の武器・石油供給国で、その関係は「強靱(きょうじん)」だとクワトラ次官は言う。

ただ、ロシアが2022年2月にウクライナで戦争を始めたことで、国際社会の制裁を受けるプーチン政権が経済・外交な生命線として頼る中国に一段と接近するのをインドは注視。上海協力機構(SCO)首脳会議が開催されたカザフスタンで中国の習近平国家主席と先週会談したプーチン大統領は、両国関係について「史上最高」と表現した。

プーチン氏が習氏と会談、5月以来2度目-中ロ関係「最高」と強調

ストックホルム国際平和研究所のアソシエートシニアリサーチャー、ペトル・トピチカノフ氏は「ロシアと中国、西側の間に位置するインドは、ロシアに予測可能性を高めることを求める」とともに、ウクライナ和平の促進に大きな役割を果たそうとする意思もあると指摘。

「とはいえ、非公開の会談でプーチン大統領はますます緊密になるロシアと中国の関係について、モディ首相からの質問に直面するかもしれない」との見方を示した。

モディ首相が政権3期目入りを果たして以来、ロシアは国際会議以外で初の外遊先となる。ロシアにとって今回のモディ首相訪問は、欧米のウクライナを巡る動きをけん制すると同時に重要な貿易相手国であり石油の買い手であるインドとの関係を強化することを意味する。