中国ハイテク企業、AI事業に強い自信 上海で大会

AI要約

上海で開催された世界人工知能(AI)大会では、国内外の企業が最新技術を披露し、AI産業の強化を図る姿勢を示した。商湯科技が先進的な大規模言語モデル「センスノバ5.5」を発表し、クラウドコンピューティング部門の幹部がAI半導体の不足に対処する必要性を説いた。

中国企業はGPT―4oに匹敵する大規模言語モデルの開発に注力しており、アイフライテックの劉慶峰会長も中国独自の最高水準の技術を持つ必要性を強調した。百度の李彦宏最高経営責任者はAI技術の実用化を重視し、アプリケーションの開発を優先すべきだと述べた。

米国の制裁下でも中国企業はAI技術に強い意欲を示し、国内外から注目を集める機会となった。クラウド事業や大規模言語モデルの開発により、中国が世界のAIリーダーシップを目指す動きが加速している。

中国ハイテク企業、AI事業に強い自信 上海で大会

[上海 5日 ロイター] - 世界人工知能(AI)大会が中国・上海市で4日に始まった。国内大手のハイテク企業や意欲にあふれた新興企業が多数集まった。相次いで最新技術を披露し、米国の制裁下でも自国産業を強く支える考えを表明した。

主催者によると150超のAI関連製品やサービスが展示された。米電気自動車(EV)大手テスラや半導体大手クアルコムなど外国企業も少数ながら参加した。

今回の大会では、最新のAI製品を発表することでAI事業進出を名乗り出る場ともなり、顔認証技術の企業だった商湯科技(センスタイム)が注目された。同社は5日に最も先進的な大規模言語モデル(LLM)である「センスノバ5.5」を発表した。米オープンAIのチャットGPT発表後にAI事業にかじを切ったセンスタイムだが、「センスノバ5.5」は数学的推論といった分野でGPT―4oに匹敵すると脚光を浴びている。

通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のクラウドコンピューティング部門を担当する幹部はフォーラムで、中国は最先端のAI半導体が不足しているからAIのリーダーになれないという考えは捨てなければならないと強調。そうした不足に対処するためクラウド事業で一段の技術革新が求められると指摘した。

AIを活用したサービスを展開するアイフライテックの劉慶峰会長も同様の考えを表明した。ファーウェイとともに米国から先端半導体の禁輸措置対象に指定されている。劉会長は、国営中国通信社の微信(ウィーチャット)アカウントで、アイフライテックなど多くの中国企業が開発した大規模言語モデルはGPT―4oに対抗できると述べた。その上で「中国が独自に開発と管理を担う世界最高水準の大規模言語モデルを持たねばならない」と強調した。

インターネット検索大手、百度(バイドゥ)の李彦宏(ロビン・リー)最高経営責任者(CEO)らは、そうした大規模言語モデルの開発よりもAI技術を実用化につなげることを優先するべきだと主張した。アプリケーションがなければ意味がないとも述べた。