〔東京外為〕ドル、160円台後半=弱めの米雇用統計で小幅安(8日午前9時)

AI要約
8日朝の東京外国為替市場では、米雇用統計の結果を受けてドルが下落し、160円63~65銭の水準で推移している。市場では雇用統計の結果がやや弱かったとの声もあり、上値は重いとされている。週明けの東京市場は手掛かり材料に乏しく、もみ合う展開が予想されている。米長期金利の低下やFRB議長の議会証言を控え、様子見姿勢が強まっている。ユーロは対円で小安く、対ドルで横ばい。仏総選挙の不透明さからユーロが売られている。

 8日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前週末の米雇用統計のやや弱めの結果を受け、1ドル=160円台後半で小幅に下落している。午前9時現在、160円63~65銭と前週末(午後5時、160円76~77銭)比13銭のドル安・円高。

 前週末の米国時間序盤は、雇用統計の結果がやや低調となったことで、一時160円30銭まで売られた。ただ、その後はショートカバーなどが入り、161円30銭台と、1円以上買われた。中盤にかけては、長期金利の低下を受け、160円60銭台まで再び水準を切り下げ、終盤は160円60~90銭台でもみ合った。雇用統計前とおおむね同水準まで戻し、週明け8日の東京早朝も同水準で推移している。

 6月の米雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比20万6000人増と市場予想(19万人増=ロイター通信調べ)を小幅に上回ったものの、4月分と5月分は下方修正された。また、失業率は4.1%と前月から0.1ポイント悪化し、平均時給も前年同月比3.9%上昇と前月から伸びが減速するなど、やや弱めの結果となった。雇用統計について、市場では、「決め手にはならなかった」(外為仲介業者)との声が聞かれた。

 週明けの東京市場は、手掛かり材料に乏しく、もみ合う展開が予想される。雇用統計後の米長期金利低下を受け、「上値は重い」(同)とされるが、「下げたところでは押し目買いが入る」(国内銀行)ため、上下に動きにくいとみられる。また、あす以降にパウエルFRB議長の議会証言などが控えていることも、様子見姿勢を強めそうだ。

 ユーロは対円で小安く、対ドルで横ばい。仏総選挙で過半数に届きそうな政党がないことから、今後の政局への不透明さが意識され、ユーロが売られている。午前9時現在、1ユーロ=173円89~90銭(前週末午後5時、174円08~08銭)、対ドルでは1.0825~0826ドル(同1.0828~0829ドル)。