〔東京外為〕ドル、161円台前半=米経済指標の悪化で下落(4日午後5時)

AI要約

4日の東京外国為替市場でのドルの対円相場は、米経済指標の悪化を受けて161円台前半に下落した。

米経済指標が低調だったことでドル円は一時160円70銭台まで下落したが、円の先安観による買い戻しやクロス円の上昇に支援されて161円70銭台に回復した。

市場は方向感を出しにくく、米市場の休場や米雇用統計の発表を控える中、161円台での推移が続いている。

 4日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米経済指標の悪化を受けて、1ドル=161円台前半に下落した。午後5時現在は、161円23~31銭と前日(午後5時、161円76~78銭)比53銭のドル安・円高。

 午前は、輸出企業や利益確定の売りに押され、161円10銭近辺へ下落した。その後は、押し目買いなどに拾われ、161円40銭台へ浮上した。

 午後は材料が乏しい中、次第に調整売りが優勢となり、161円20銭台へ軟化した。

 前日発表された米経済指標は軒並み低調だった。6月ADP全米雇用報告の非農業部門の民間就業者数は前月比15万人増と前月から減少。週間新規失業保険申請件数は3週ぶりに悪化し、6月のISMサービス業PMIは48.8と前月から低下した。

 これを受けて、ドル円は一時160円70銭台へ下落したが、その後は円の先安観による買い戻しや、ユーロ円などクロス円の上昇に支援され、161円70銭台に回復した。米独立記念日を前に「実需の買いが入った」(外資系銀行)との声も聞かれた。

 東京市場は、売買に決め手を欠き、161円台前半から半ばを中心とした値動きにとどまった。米市場が休場となるほか、5日に米雇用統計の発表を控えて、見送りムードが支配的だった。

 この後の海外時間も、方向感は出にくく、161円台での推移が続くとの見方が多い。市場の一部では、「米休場で市場が薄いときに政府・日銀が介入すれば効果が大きいため、警戒が必要」(外資系銀行)との声も上がっている。

 ユーロは対円で小高く、対ドルで上昇。午後5時現在は、1ユーロ=174円09~10銭(前日午後5時、174円05~06銭)、対ドルでは1.0794~0794ドル(同1.0758~0759ドル)。