物件の“真価”を決めるのは「利便性」だけではない…不動産投資の成否を左右する「地歴」とは【不動産投資のプロが解説】

AI要約

不動産投資では、物件の周辺地域だけでなく、その土地の歴史や地歴にも注目することが重要です。

地域の地歴を知ることで、安全性や環境リスクを把握し、賢い投資判断をすることができます。

過去の土地利用や環境への影響を考慮し、物件購入を検討する際には、適切な調査と対策が必要です。

物件の“真価”を決めるのは「利便性」だけではない…不動産投資の成否を左右する「地歴」とは【不動産投資のプロが解説】

不動産投資では、物件の周辺地域について把握することも重要です。とはいえ、駅からの距離や近場に学校・スーパーがあるかなどといった「利便性」にばかり注目していると、物件本来の価値を見落としてしまうかもしれません。そこで本記事では『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集し、著者の杉山浩一氏が語る「物件選びにおける〈地歴〉の重要性」についてご紹介します。

物件を見るときには、周辺の土地もしっかり見なければと思いつつ、駅からの距離や、学校やスーパーマーケットへのアクセスなど、利便性という観点に終始してしまうことが少なくありません。

土地を見る際には、長い歴史の中でその地域がどのような位置づけだったのかという地歴についても、併せて確認することが重要だと私は考えています。地歴とは文字通り、その土地にまつわる歴史です。

例えば、神社の近辺というのは基本的に、高台だったり地盤が固かったりして、水害や地震に強いものです。先人が叡智を尽くして選んだ場所なのだといつも実感させられます。

長い歴史を生き抜いてきたという事実は安全性の証しでもあります。また、このような地域であれば、周辺に風俗店などが新たにつくられる心配もないので、子育て世帯も安心して住むことができるでしょう。

例えば、過去に工場などが立っていた場所には土壌汚染のリスクが存在します。事前に汚染の有無を調べる必要が出てきます。これも誤解がないように申し上げておくと、「過去に工場があったから、その土地はダメだ」という単純な話ではありません。

物件の購入を検討する際には、過去にそこに何が存在していたのか、どのような意味を持つ土地だったのかを事前に把握しておき、懸念がある場合には、相応の対策がなされているのかどうか、リスクを上回るメリットがあるのかどうかといった点を検討する必要があります。

地歴を通じて、地域やその土地の経緯、まさに歴史を知ることは、リスクを知るだけでなく、深い愛着にもつながっていきます。以前は国会図書館まで出向いて調査する必要がありましたが、今はネットでも確認できますので、調べることをお勧めします。