FRB政策に米銀首脳が過度に影響、ウォーレン議員がパウエル氏批判

AI要約

ウォーレン上院議員がパウエルFRB議長に銀行幹部との会合を問題視し、資本規制強化案の影響を指摘。

ウォーレン氏はパウエル議長に対し、大手銀行幹部との会合での議題や影響について詳細な情報提供を求めている。

ウォーレン氏は銀行の幹部報酬や合併に関する指針など、重要な銀行政策についてパウエル議長の影響力を懸念している。

(ブルームバーグ): ウォーレン米上院議員はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に書簡を送り、銀行の幹部報酬や資本規制強化案を含む重要政策に影響を与える余地を銀行トップに与えすぎているとして批判した。

2日送付された書簡では、パウエル議長が銀行首脳と複数回にわたり非公式の会合を持っている点を問題視。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)とは2018年2月以来、19回の会合を持ったことに言及した。

パウエル議長と銀行経営陣との会合や協議が「米金融当局の政策に影響を与えているようだ」とウォーレン氏は指摘。足元では、銀行資本規制強化案について、米規制当局から「骨抜きの提案が浮上している」と述べている。

ウォーレン氏はパウエル議長に対して、2008年の金融危機を受けた国際的な銀行の新資本規制「バーゼル3」に絡む抜本改革について、ダイモン氏ら大手行幹部に対して何らかの確約を行ったかなど、一連の質問事項を送った。

さらに銀行合併に関する指針や幹部報酬改革を巡る協議についても情報提供を要請。パウエル、ダイモン両氏の会合で取り上げられたすべての議題についても明らかにするよう求めた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は声明文で「書簡を受け取っており、回答する予定だ」と述べた。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は5月、ダイモン氏が銀行の資本規制強化案の立案者とされるバーFRB副議長(銀行監督担当)を避け、代わりにパウエル氏ら他のFRB理事に提案の変更を働きかけるよう業界関係者に促したと報じた。その直後、ウォーレン氏はパウエル議長が「ダイモン氏の言いなりになっている」と非難する書簡を送っている。

原題:Warren Accuses Powell of Giving Bank CEOs Too Much Influence(抜粋)

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