「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ」は、なぜ米『コンデナスト・トラベラー』誌でハワイのベストホテルに選ばれたのか

AI要約

ハワイ・オアフ島のホテルで激しい争奪戦が繰り広げられている。注目の「ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチ」の試泊記。2023年版のハワイの「ベストホテル」に選ばれた同ホテルの魅力。

高級ブランド店が立ち並ぶ高層ホテルに位置し、日本人スタッフや設備の充実、オーシャンビューの素晴らしさなど、リッツ・カールトン・ワイキキの特長。部屋の設備や公共スペースの魅力も紹介。

客室にはキッチンや洗濯機が完備され、浄水システムやテレワーク環境の配慮など、快適な滞在をサポート。プールやレストランの魅力もあり、ハワイ滞在をより豊かにする要素が満載。

「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ」は、なぜ米『コンデナスト・トラベラー』誌でハワイのベストホテルに選ばれたのか

ハワイ・オアフ島のホテルで、旅行者をめぐる激しい争奪戦が繰り広げられている。人気の座を射止めた「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ」の試泊記をお届けする。

2016年に開業した「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ」(以下、リッツ・カールトン・ワイキキ)が、北米を中心にグローバル展開している旅行雑誌『コンデナスト・トラベラー』誌のリーダーズ・チョイス・アワードで、2023年版のハワイの「ベストホテル」に選出された。リーダーズ・チョイス・アワードとは、その言葉が示すとおり、読者の投票によって選出される。数ある魅力的なハワイのホテルの中で、もっともハワイラバーや利用者の支持を集めたホテル、という栄誉を獲得したのだ。

リッツ・カールトン・ワイキキが素敵なホテルであることは想像に難くない。とはいえ、ハワイのすべてのホテルの中で、華々しく1位に選出された要因はどこにあるのか。一度、気になり始めると、気になって仕方ない。コロナ禍が落ち着いてから初となる、ハワイへの渡航で、同ホテルにステイすることを決意した。

2016年に開業したリッツ・カールトン・ワイキキは、高級ブランド店が立ち並び、ハワイの五番街とも称されるラグジュアリー・ロウのすぐそばに位置する。買い物する場所にはこと欠かないし、どこに行くにも便利な立地だ。ホテルの車寄せのすぐ横には、ハワイに2店舗あるディーン&デルーカの1店舗もある。デリとしても優秀なのは言わずもがな、ワイキキを後にするギリギリまで土産物選びができるのは、日本人のゲストにとってはポイントが高いのではないだろうか。だろうか。

リッツ・カールトン・ワイキキでの特別な時間は、車寄せで車から降りた瞬間から幕を開ける。スタッフから生花のレイをかけてもらい、8階にあるフロントへとスムーズに誘導されると、そこには開放感の極致ともいえるオープンエアーのフロントが広がっていた。部屋に入る前からリゾートモードは爆上がりだ。日本人のスタッフの多さも大きな強みなのではないだろうか。困った時に、日本語で相談ができるのはなんとも心強い。

オンザビーチではないが(とはいえ、ビーチまでは徒歩数分足らず!)、どちらの棟も39階建てと高層であることに加え、目の前に高い建物がないため、ワイキキの街と海を一望できる。大きな窓ガラスいっぱいに、コロナ禍を経て美しさを取り戻したというハワイの海が広がり、我ながら単純だとは思うが、部屋に戻ってくるたびに心が震えた。海を眺めながら永遠に酒が飲み続けられそうだが、その点もご安心を。客室には大きな冷蔵庫が、そして、1階にはABCストア系列の「アイランド・カントリー・マーケット」がある。ちなみに筆者は日本から紙パックの焼酎を持参し、現地で購入したグァバ、パパイヤなど、トロピカルなジュースで割ってご機嫌、かつリーズナブルに酔っぱらった。

食洗器やレンジ、さらには、コーヒーメーカーやケトル、ジューサー、トースターも備えたキッチンは、筆者のように料理をしない向きにとっても重宝する。レストランで食べきれなかった食事を持ち帰り、後で温めて食べられるのは素直にありがたい。終わりの見えない円安に加え、ハワイの物価も高騰している。アメリカ本土からの観光客も、レストランやデリで料理を持ち帰り、ラナイで寛ぎながら食事を摂る人が増えていると聞いた。

なお、リッツ・カールトン・ワイキキでは、すべての客室のキッチン・シンク下に、浄水システムを設置。これは、ハワイのホテルでは初の試みとなる。蛇口から出てくる美味しい水が飲めるのはこの上なく快適だし、自然環境にもやさしいときている。ホテルの外に出る際も部屋に置かれていたオリジナルのアルミ缶に入れて持ち歩くことができ、滞在中はミネラルウォーターを"買う"必要がなかった。

ラナイには、テーブルと椅子もある。そして、広い! 活用しない手はない。ワイキキの金曜日の名物行事である、ヒルトンワイキキの花火も目の前に上がる。客室の洗濯乾燥機もありがたい存在だ。毎日、洗濯機を回し、チェックアウト日は、バスローブを羽織りながら汚れものをすべて洗濯機に放り込んだ。汚れものナシで帰国できるという偉業を誰かに自慢したい衝動を抑えるのに苦労した。

南太平洋を見渡す(見下ろすといってもいいかもしれない)窓際に向いた、仕事用デスクも気が利いている。海を眺めながらのテレワークが予想以上にはかどることを発見した。もうひとつ小さなことだが、重要な情報をお伝えしよう。トイレはTOTO製のウォシュレット付きだ。

公共のスペースについても増えておきたい。リゾートホテルを語る上で欠かせないプールは2つ。エヴァタワーと、ダイヤモンドヘッドタワーにひとつずつあり、どちらも大規模な改装を終えたばかりだ。筆者が訪れた際はダイヤモンドヘッドタワーのプールは改装中で、「それならエヴァタワーのプールを半日たっぷり満喫しよう」と、カバナを予約した。個々に区切られたカバナは、カーテンを閉めることもでき、個室さながら。テレビや冷蔵庫も付いていて、もはやここに住める、いや住みたいと本気で思ってしまう。

朝食はフロントの後ろにある、フランス料理の「ラヴィ」で食べた。シグニチャーだというレモンバター・ミルクパンケーキやロコモコ、日本食の朝食弁当、アボカドトーストなど、魅力的なラインナップで目移り必至だが、そんな時間も楽しい。今回は利用する機会がなかったが、ランチやディナーには、ポケボール、ガーリックシュリンプといったハワイらしいメニューが楽しめる。寿司職人、中澤圭二が手掛ける寿司店「すし匠」も気になるところ。ハワイ産の焼酎も飲めると聞いた。

ハワイという特別な場所にいる喜びを全身で享受しながら、自分らしく過ごすという願いを軽やかにかなえてくれる──。リッツ・カールトン・ワイキキの人気の要因はここにあると確信した。

■ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ

住所:383 Kalaimoku St, Waikiki, Honolulu

TEL:808-922-8111

料金:オーシャンビュールーム $635~、デラックスオーシャンビュースイート $889~(州税・オアフ島宿泊税 計17.962%別)、リゾートフィーなし

http://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/hawaii/waikiki