名車「スバル360」の血統を継ぐスバル「レックス」はクラストップの37ps! ライバルよりチョイ高の48万円【今日は何の日?6月29日】

AI要約

1972年6月29日、スバルがスバル360の後継となる軽自動車スバルレックスを発売。

スバルレックスは、ハイパワー仕様のGSRを含む2種類のエンジン仕様とスポーティなスタイリングで高性能をアピール。

価格はライバルよりもやや高めの設定で、20年間の歴史を誇り、1992年にヴィヴィオへと後を譲った。

名車「スバル360」の血統を継ぐスバル「レックス」はクラストップの37ps! ライバルよりチョイ高の48万円【今日は何の日?6月29日】

一年365日。毎日が何かの記念日である。本日6月29日は、スバル(当時は富士重工業)から、「スバル360」、「スバルR-2」の後継となる軽自動車「スバルレックス」が誕生した日だ。軽自動車の高性能時代を切り開いた人気モデル「ホンダN360」に対抗するため、スバルが放った高性能モデルだ。

TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・すべてシリーズ、clicccar

1972(昭和47)年6月29日、スバルが「スバル360」の血統を継ぐ「レックス」を発表(発売は7月)。1967年に登場した「ホンダN360」が火をつけた軽自動車の高性能競争に対抗するため、スバルはクラストップの性能を誇るレックスを市場に投入した。

1958年にデビューし爆発的な人気を獲得していたスバル360も10年が経過し、1967年に最高出力31psを誇る高性能で31.5万円という廉価なホンダN360の登場で販売は下降、スバルはその挽回ために1969年「スバルR-2」を発売した。

スバルR-2は、基本技術はR360を踏襲し、スタイリングはてんとう虫の雰囲気から脱却し、ベーシックな2BOXスタイルへ変貌。エンジンは、最高出力30psを発揮する360cc 直2 SOHC空冷2ストロークエンジンと、4速MTおよびオートクラッチと呼ばれた2ペダルMTが用意された。スバルR-2の出足は好調だったが、ライバル車の低価格かつ高出力戦略に遅れを取り、人気は頭打ちになって約3年で生産を終えた。

そして、さらなる高性能モデルとして1972年のこの日に登場したのが、スバルレックスだった。

“ハード・ミニ”のキャッチコピーで登場したレックスは、前年にデビューした大衆車「レオーネ」譲りのフロントマスクと、全高がR-2よりも90mm低いワイド&ローのウェッジシェイプのスタイリングでスポーティさをアピールした。

パワートレインは、360cc直2 SOHC水冷2ストロークエンジンのシングル&ツインキャブ仕様の2種類と、4速MTの組み合わせ。ハイパワー仕様「GSR」の最高出力は、トップクラスの37psで0-400m加速は、軽としては異例の20秒を切る俊足ぶりだった。

駆動方式は、当時主流となりつつあったFFではなく、スバル360以来の伝統的なRR(リアエンジン・リアドライブ)。小さな車体の中に最大の室内空間を確保するためには、エンジンとトランスアクスルを一体化できるRRが有利だったのだ。

標準仕様の車両価格は、48万円(MT)/51万円(AT)とライバルよりも10万円程度高価な設定。当時の大卒初任給は、5.6万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約197万円/209万円に相当する。

その後、レックスはスバルの看板軽として20年間進化を続け、1992年に「ヴィヴィオ」にその座を譲り、20年間で累計190万台と堅調な販売でその歴史の幕を下ろした。