転職で年収が「300万→500万円」に! 65歳まで働くと“将来の年金”はどれだけ増えますか?「平均寿命」までの総額も試算

AI要約

現時点で35歳の会社員がプログラミングなどIT系のスキル取得で転職に成功し、年収を300万円から500万円にアップするケースを想定。 転職前と転職後の年収で将来の年金受給額の変化を検証。

老後の公的年金は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類があり、報酬比例部分によって金額が決まる。老齢基礎年金は一定で、厚生年金は加入期間と保険料によって増減する。

シンプルな計算式を用いて、35歳から転職後の老齢厚生年金を推測。転職前よりも将来の年金受給額が増加する可能性も示唆される。

転職で年収が「300万→500万円」に! 65歳まで働くと“将来の年金”はどれだけ増えますか?「平均寿命」までの総額も試算

就職したら定年まで勤め上げるのではなく、状況次第では転職や副業などで総合的に収入アップを目指す人は少なくありません。収入が上がると毎月の給料だけでなく、「将来もらえる年金額も上がるのでは」と期待する人も多いのではないでしょうか?

本記事では、現時点で35歳の会社員がプログラミングなどIT系のスキル取得で転職に成功して、年収300万円から500万円にアップするケースを想定し、転職前と転職後の年収で将来の年金受給額はどのくらい変化するのか解説します。

今回は話を分かりやすくするため次の設定をもとに説明します。

・22歳から35歳まで年収300万円

・35歳から65歳まで年収500万円

・月収や平均報酬額、年収は一定で、年次ごとに変化しない

・国民年金と厚生年金に加入し、それぞれ未納や滞納などの期間はない

老後に受け取れる公的年金は大きく分けて「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類が存在します。老齢基礎年金は受給資格を得たうえで国民年金保険料を満額納付していると月額6万8000円(2024年度)もらえます。

現役時代の収入や働き方に関わらず老齢基礎年金の金額は変わらないため、将来もらえる年金額を増やすには厚生年金の加入期間や納付する保険料額によって決まる老齢厚生年金の存在は無視できません。

老齢厚生年金も実際はそれぞれの状況によって報酬比例部分や経過的加算、加給年金額をあわせた金額が算出されますが、今回はシンプルに年金額計算の基礎となる報酬比例部分のみで考えてみます。報酬比例部分は加入時期によって次の計算式が存在します。

・(2003年3月以前)平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数

・(2003年4月以降)平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

今回のケースは現時点で35歳の想定のため、転職前と転職後どちらも「2003年4月以降」の計算式が適用されます。転職せずに22歳から65歳まで平均標準報酬額25万円で働き続けると老齢厚生年金を70万7049円もらえます。月額だと約5万8920円受け取れる計算です。