相手を見下す、何にでもケチつける…「職場を腐らせる人」が弱い相手を攻撃する理由

AI要約

『職場を腐らせる人たち』という話題書では、根性論や自己保身に走る人々が職場でどのような影響を及ぼすのかを臨床例を交えて探っている。

腐敗を招く行動をする人々は、弱い相手をターゲットにし、上下関係や肩書き、おとなしい性格などを狙って攻撃している傾向がある。

著者は、職場の腐敗は個人の問題だけでなく組織全体に影響を及ぼすと指摘しており、その問題の深刻さを警鐘している。

相手を見下す、何にでもケチつける…「職場を腐らせる人」が弱い相手を攻撃する理由

 根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか。発売たちまち6刷が決まった話題書『職場を腐らせる人たち』では、ベストセラー著者が豊富な臨床例から明かす。

 〈ある中小企業では30代の女性社員が突然20代の女性社員を怒鳴りつけるという。「この前、頼んでいた仕事はどうなったの。まだできてないの。なんでそんなに遅いの」「あなたが作った書類はミスが多くて、後で修正するのが大変なのよ。もっとちゃんとやってよ」などと目をつり上げて激怒する。そのため、若い女性社員は常にびくびくしており、退職者も続出しているため、慢性的な人手不足に陥っている。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

 〈食品会社で営業部長を務める50代の男性は、「営業で大切なのは気合と根性」と日々力説し、何軒訪問したか、何人に電話したかを毎日報告させ、少ないと「気合が足らん」と激高する。しかも、自分が若い頃気合と根性で営業成績をあげた話を何度も繰り返す。残業を暗に強要し、定時に退社した社員がいると翌日デスクを廊下に出したこともある。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

 こうした職場を壊したり人間関係の悩みを生み出したりする人は、どこにでもいる。

 厄介なのは、そうした人を変えるのはかなり困難で、さらには特定の人を攻撃対象にすることである。

 では、職場を腐らせる人は、どのような人をターゲットとして選んでいるのだろうか。

 〈相手によって態度を変える人が典型だが、自分より"上"の相手をターゲットにすることはめったにない。自己保身願望が人一倍強いのだから、これは当然といえる。それでは、誰をターゲットにするかといえば、だいたい弱くておとなしい人である。

 職場を腐らせる人は、まず弱い相手をターゲットにする。強いとか弱いとかいうのは相対的なものであり、対人関係やその場の状況に応じて変わるのだが、職場ではやはり役職や肩書に応じて決まる。一般に上司のほうが部下よりも強いし、正社員のほうがパートタイマー・アルバイトよりも強い。

 また、おとなしい人ほどターゲットにされやすい。おとなしい人は、自己主張も自己防衛も苦手で、されるがままになっていることが多いからだ。それどころか、いい人、優しい人と思われたくて寛大な態度を示すこともあれば、自分が悪いわけでもないのに謝罪して償おうとすることもある。

 何よりも、少々理不尽なことをされても、言い返せないし、やり返せない。我慢が足りないと思われたら恥ずかしい、反感を買ったら困る、文句が多い奴と烙印を押されたらとんでもないことになる……などと不安や恐怖にさいなまれ、躊躇する。どうしよう、どうしようと思い悩みながら、反撃をためらっているうちに、やられっ放しになりかねないい。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

 つづく「どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体」では、「最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみ」「職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく」という著者が問題をシャープに語る。