新NISAで「億単位で儲かる人」と「万単位しか儲からない人」の決定的な違い

AI要約

新NISAの運用について、インデックスファンドのみではなく個別株投資も積極的に取り入れることで豊かな資産を築けると提案されている。

投資家・実業家の上岡正明氏によると、新NISAで成功するためにはリスクを取りながらも長期的な視点で成長投資を行うことが重要である。

株式選びにおいてはチャート分析やファンダメンタルズ分析を行い、しっかりとした戦略を持つことが求められる。

新NISAで「億単位で儲かる人」と「万単位しか儲からない人」の決定的な違い

 新NISAが始まって半年以上が過ぎた。インデックスファンドの積み立てのみを勧める識者が多い中、「つみたて投資枠だけでなく、成長投資枠で日本の個別株にも積極的に投資したほうが豊かで自由な人生を手に入れることができます」と“二刀流”の投資を提案するのは投資家、実業家で『日本株で新NISA完全勝利 働きながら投資で6億円資産を増やした僕のシナリオ』(アスコム)の著者・上岡正明さん。上岡さんに新NISAで失敗する人・うまくいく人の違いを教えてもらった。(取材・文/ジャーナリスト 村田くみ)

● 「つみたてNISA」だけで十分なのか?

 新NISAがスタートしてからも日経平均株価は3万9000円台を推移しているので、「今から日本株に投資をしてもいいの?」と、疑心暗鬼の人も多いだろう。まだ日経平均株価が1万円台だった頃の2004年から200万円の元手で株式投資を始めた上岡さんはインデックスファンドの積み立てだけでは大きな資産を築くことはできなかったと振り返る。

 「インデックスファンドの積み立てだけでは、せいぜい3000万円が関の山だったと思います。私が6億円もの資産を築くことができたのは間違いなく日本の個別株に投資したおかげです。コロナ禍を経て日経平均株価は今年4万円台を超え、今は3万9000円前後で推移していますが、まだ上がり続けると思っています。状況次第では、空前の日本株ブームが起こる可能性があります」(上岡正明さん、以下同)

 めったにないこの波に乗るためには、新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の両方を使った「コア・サテライト戦略」を勧める。“コア”では安定したリターンが期待できる投資信託で長期運用を目指し、 “サテライト”ではある程度の値動きがある株式投資をする。タイミングを見て売買をしてキャピタルゲイン「売却差益」を得る手法だ。

 「“コア”のつみたて投資枠で買うべき商品はeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)、あるいはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のどちらかでいいでしょう。選べなければ半分ずつ積み立てる方法でもいいです。ただし、注意したい点は、積み立て投資は複利で増えることが前提なので、最初のうちは劇的に増えません。20年、30年と長期運用をすることでメリットを得られるので、『この程度しか増えないのだったらやめてもいい』と途中で投げ出さないこと。5年、10年程度でやめてしまうのが積み立て投資での失敗のひとつです」(上岡正明さん)

● 個別「お宝銘柄」の買い方と売り方

 “サテライト”の成長投資枠では、日本の個別株にも投資できるが、人気を集めている「大型高配当株」と呼ばれる銘柄はすでに株価が上がっているケースが多い。一方、株価がまだ安い銘柄の中には業績回復の筋道が見えている銘柄もあり、そうした“お宝銘柄”は株価の急騰も十分あり得るという。

 「私は大きく勝つためには『大衆心理の逆で勝負しましょう』と伝えています。現在の状況もバブルでいつか暴落するのではないか、と不安な人もいるでしょうが、お宝銘柄はまだあります。お勧め銘柄を私が言ったとしても、翌日に買ってはいけません。人に勧められたからすぐ買うのではなく、必ず自分で分析して納得してから買うように。私はチャートの値動きに注目するテクニカル分析を7割重視しています」

 例えばトヨタ(7203)のチャートを例に見てみると、2023年12月21日に株価は2495円で底を打ってから上昇相場に転じ、3月27日に3891円の年初来高値をつけた。今は不祥事が発覚したことで値下がりが続いているが、上岡さんは2500円をエントリーポイント(こうなったら買うという条件)と決めたら、3500円ぐらいで売るとあらかじめ売値を決めるという。

 「私は買う時点で1000円の値幅を取ると決めます。『2500円まで下がらない』と思う人もいるでしょうが、2500円まで値下がりしたときまで待って買うと勝率が上がるので、負けない投資家になります」

● 注目すべき指標は?

 次にファンダメンタルズ、企業の財務状況や業績を確認する。ファンダメンタルズとは、業績の状態、経済指標など、広範囲なデータから長期的な値動きを予想する。テクニカル分析が7割と言った上岡さんは残り3割のファンダメンタルズ分析でどんな指標を参考にしているのか。