青森のサクランボ農園で実が割れる被害、佐藤錦は1~3割が裂果…9園が一般客の受け入れ断念

AI要約

青森県南部町のサクランボ収穫時に裂果被害が深刻化していることが報告された。

裂果被害により観光農園の一部は一般観光客の受け入れを停止し、サクランボ狩り用の実が早く消費される恐れがある。

裂果はサクランボの傷みを早め、農園側は消費者にもおいしく食べられることをPRしているが、厳しい状況が続いている。

 サクランボの収穫が最盛期を迎えた青森県南部町の観光農園で、主力品種「佐藤錦」などの実が割れる「裂果(れっか)」の被害が目立っている。町内の観光農園21園が加盟する名川観光さくらんぼ園振興会によると、平均で佐藤錦の1~3割、被害が大きい園は5割以上、裂果がみられた。観光農園は、20日前後に相次いで開園するが、約4割にあたる9園は一般観光客の受け入れを断念した。同会の分析では、今月1~4日頃、東北地方特有の冷涼な風「やませ」の影響で低温、多湿になり、裂果が急激に増えたという。

 開園できる農園が少ないため、サクランボ狩り用の実は例年より早く消費されそうだ。このため、7月15日に予定していた町内の開園終了時期も、1週間~10日ほど早まる可能性がある。裂果したサクランボは、傷みも早いため、廃棄しなくてはならない量も増えるという。

 19日は、南部町高瀬の西舘農園で、地元のこども園の園児約20人を招いて、サクランボ狩りのオープニングイベントが行われた。園主の西舘暁子さん(77)は、町内の被害の大きさを心配しながらも「なんとか開園でき、常連客との再会が楽しみ」と、ひとまずホッとした様子だった。

 同会の工藤司会長(53)も「実が割れていても、おいしく食べられるとPRしたい」と話す。ただ、自身の農園でも裂果の割合が5割ほどで、厳しい状況だ。

 同会はすでに、団体客の新規の予約は断っており、少人数で訪れる一般客に対しても「訪れたい観光農園が、営業するかどうかをホームページで確認してほしい」と呼びかけている。