豪2位の年金基金、50歳未満の加入者を高成長型にシフト-競争影響か

AI要約

オーストラリアの年金基金であるオーストラリアン・リタイアメント・トラスト(ART)が、若い加入者向けに高成長型の投資戦略を導入することを決定した。

ARTはバランス型から高成長型に移行し、上場株やオルタナティブ資産への投資を増やす一方、インフラへの配分も拡大する予定だ。

オーストラリアの年金セクターは競争が激しくなり、APRAによる年次パフォーマンス評価基準の発表を控える中、業界全体が厳しい監視下に置かれている。

(ブルームバーグ): オーストラリア2位の年金基金、オーストラリアン・リタイアメント・トラスト(ART)はライフサイクル投資戦略を調整し、比較的若い加入者に示すデフォルトの運用選択肢を高成長型と、これまでの伝統的なバランス型から変更する。

ART(運用資産2850億豪ドル=約30兆円)は50歳未満の加入者について7月から、バランス型から高成長型に移行させる。運用資金の約65%を上場株、8%をプライベートエクイティー(未公開株、PE)、3%をプライベートデットなどのオルタナティブ資産に投資するとともに、インフラへの配分を現在よりも高める。

現在のデフォルトの選択肢であるバランス型投資ではディフェンシブ性のある資産に約30%を投じている。50-65歳の加入者は徐々にリスクカーブを下げていくとARTは説明し、豪州紙オーストラリアンの先の報道を確認した。

急成長を遂げている3兆9000億豪ドル規模の国内年金プールで加入者獲得と投資リターンを巡る競争の厳しさが新たに示された。リターンと手数料に基づいて年金基金を評価する年次パフォーマンス評価基準を豪健全性規制庁(APRA)が8月に発表する際に、業界は規制当局から厳しい目にさらされる。

調査会社チャント・ウェストの試算によると、「スーパーアニュエーション」と呼ばれる豪年金セクターは今年度リターンが9%を超える見込みだ。広報担当者によると、ARTはバランス型が10%、成長型が11.5%となる方向だ。

原題:Australian Pension Fund Shifts Younger Members to Riskier Bets(抜粋)

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